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感想「破壊神マグちゃん 4巻」
今月1日、「破壊神マグちゃん」最新刊が発売されました。
今巻も面白かったので語ります。
・漫画紹介
紹介記事をリンクします。
・前巻の感想
感想記事をリンクします。
以下、最新刊のネタバレ注意!
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・母 宮薙涙依
前回、主人公の流々と劇的な再会を果たしたお母さんが、マグちゃんと邂逅しました。
……
愛倉市民の懐の広さは異常。
異形に対する疑念がゼロで笑います。聖騎士団が一番まともな反応している気がするのは、わたしの気のせいでしょうか。当初の錬やキョーちゃんの反応を見る限り、異形を異形であると認識してはいるようですが……
そんな流々ママは天然でノリが良くマイペースな一方で、家族思いで優しく、良くも悪くも流々によく似ています。
「夢はでっかく全人類!」のところの笑顔を見ていると、特にそう思います。
それはそれとして、流々から信頼されている流々ママに対抗心を燃やすマグちゃん、めちゃくちゃ可愛いです。
・破滅の新春初詣
手のひらサイズのマグちゃんの群れ、可愛いです。
以前にも何度か無数に分裂していたマグちゃんですが、極小サイズと手のひらサイズではまた可愛さが違いますね。
しかしこのミニマグちゃん、意識は共有しているようですが……本体という概念はあるんですかね?
作中での描写を見る限り、お互いがお互いを分体だと認識しているようで、主人格みたいなものは無いように感じられます。本来ならそこそこホラーな話ですが、上位存在たるマグちゃんにとってはあまり問題にならないのかもしれませんね。
母親面するウネさんも可愛いです。
邪神三柱の中でも常識的というか人間寄りのウネさんは、流々が敬語を使う相手で、母キャラといえば母キャラですかね。ノリが良いのも相まって好きです。
・福豆と鬼
初登場時のナプタくんといいイズマといい、どんなシリアスな展開になっても流々が決めたルールに律儀に従う辺り、本当にノリが良いですね。
対戦相手のマグちゃんが頑丈なので、バトル展開も安心して見ていられます。
というかそもそもマグちゃん、基本的に物理無効っぽいですよね。錬の指摘にあるように、イズマの戦い方はそもそも間違っているような気がします。「破滅」を放てば消耗するし、風邪を引けば不調になるので、満更弱点が無いわけではないのですが……
っていうかマグちゃん、なんでこんなに物理に強いんでしょうか。同じ封印された邪神であるナプタくんはあんなに弱いのに……
そんなイズマの戦いを眺めるウネさん、ちょっと邪悪で可愛いです。
ウネさんは多分、イズマの戦い方が対マグちゃん相手では適切ではないという事を理解してますよね。マグちゃんを封印した張本人ですし、もっと有効な戦い方を指南しようと思えばできる立場にある気がします。
でもしないんでしょうね。
イズマの葛藤から人類の行く末を見出そうとする魔王ムーブ、本当好き。
・『暗澹』のゾンゼ=ゲ
主要キャラの魅力が詰まった回でした。
前回で流々の学校に転校してきたイズマと、それに付いてくるようにレギュラー化したウネさん。二人ともナチュラルにオカ研に入る辺り、もうすっかり勝手知った感じがしますね。そもそもウネさんは部室に来たことがありましたっけ。
さて、新しい上位存在が登場しました。
邪神としての順位がついていないから「神」ではないとのことですが……そもそもその順位を付けているのは一体誰なのでしょう。上位存在の上位存在みたいなのがいたりするんですかね。
ナプタくんが暗澹の権能にやられているのを見る限り、無位だからといって邪神相手に無力というわけではなさそうです。同じく権能を受けたマグちゃんがノーダメージなのは知らないですが。
さて、運良くクソガキこと唯歌に懐柔されたゾンゼ=ゲですが、その復活には別の誰かが関わっているようです……
・甘き日の狂想曲
錬が主人公のラブコメ回、ハズレが無くて良いですね。
錬とウネさんの関係性、興味深いです。唯歌にすらさん付けされるウネさんを人間サイドでは唯一呼び捨てにし、躊躇いなく攻撃する遠慮の無さ。
対するウネさんは錬の空回りっぷりを大いに気に行っているのでこちらも遠慮が無く、結果的に良い距離感になっているのがなかなか素敵です。
さて、ウネさんの惚れ薬でモテモテになったナプタくん。邪神相手にすら嫉妬する懐の狭い男、錬……好き。この懐の狭さが錬を錬たらしめていると言っても過言ではないでしょう。だからこそラブコメ展開が捗るというものです。
ウネさんの魔術ごと全部かっさらう燐さん……もっと好き。ウネさんに興味深いと言われる彼女は、今後何かしらに絡んできそうな気がします。
ラストはハッピーバレンタイン。心労を追った錬がきっちり報われる展開、ハートフルで良いと思いました。
・『金剛』のグ=ラ
ウニ助に続いて無位の上位存在が登場しました。今後の展開の前フリとはいえ、なかなかの大盤振る舞いですね。キャラを持て余さないかだけ心配です。
ともあれこれで、主要の人間キャラ全員に上位存在が行きわたりましたね。
・恐怖の闇鍋地獄
……
なんかサバト始まった……
とりあえず冒頭のナプタくんと流々の絡み、滅茶苦茶好き。
流々はマグちゃん相手と同じくお姉さんっぽく接しているのに対し、誰相手でも尊大なナプタくんが結構素直になっているのが面白いです。
そして始まる闇鍋。ギャグ展開はともかくとして、その最中重要な話が出てきます。
グ=ラことグラッシーを「順位がつく」と唆した存在の示唆。そして流々ママの危機の呼び水となったあの大雪が必然である事。
段々とシリアス色が濃くなってきました。この日常の中の不穏な感じ……とても好きです。
・『運命』のミュスカー
4巻にしてついに登場した、人類に対する敵というスタンスの神。
マグちゃんの破滅が通用しないというかつてない脅威。
運命を司り、予知を可能とする全知の存在。
そんな邪神すらも想定外だという流々の存在は、本当に特別なのでしょう。さすがは主人公。
シリアスな雰囲気を一人でぶち壊すその姿には、イケメンさを感じずにはいられません。ある程度事の重大さを理解した上でわざとおちゃらけているのか、ただの天然なのか……いずれにしても流々の言動一つで状況がひっくり返ったのは面白いです。
そしてミュスカー、口で言うほど驚異的な邪神ではなさそうです。マグちゃん捕獲のために流々を遠ざけようとしたり、なるべく関係の無い下等生物を巻き込まないスタンスでいる辺り、人類が支配する世界の在り様を変えようとしているだけであって、あくまで人類そのものを害するつもりはないように感じられます。
とはいえ他の邪神とは違ったスタンスでいるのも確かなので、対立は続くでしょう。
シリアス展開に一筋の縦糸が出来たようです。
総評
マグちゃん可愛い。
あと登場人物が増えてキャラクターごとの魅力やストーリー展開も面白くなってきました。勢いのある漫画です。
4巻の満足度:90/100