漫画紹介「闇麻のマミヤ」
ジャンル:麻雀、既刊2巻
「闇麻のマミヤ」は近代麻雀連載の漫画で、作者は「カイジ」「アカギ」の福本伸行先生です。福本先生の「アカギ」以来の近代麻雀連載という事で、当然ジャンルは麻雀です。
・あらすじ
時は令和、あのアカギがこの世を去ってから20年後の現在。相変わらず麻雀が幅を利かせる闇の世界において、かつてのアカギの相棒治の下に天才雀士、マミヤが現れた。
果たしてマミヤの実力は……?
と、ここまで書いていた思ったのですが、まだあらすじが書けるほど話が進んでいませんでした。とにかく舞台設定はそんな感じです。
・魅力その1、続編に近い世界観
物語の世界観は、同作者の福本伸行先生の著作「アカギ」と同じ世界観です。それだけで、魅力的な展開がいくつも想像出来るというものです。
続編モノの魅力はまさにここだと思います。前述の通り、今作「闇麻のマミヤ」は今現在単行本に収録されている限りでは、まだほとんど話の縦軸が明らかになっていません。主人公であるマミヤの出自はもちろん、雀士としてどういう打ち方をするタイプだとか、今のところ唯一の過去作キャラである治とどういう関係なのかとか、そういう魅力的な部分の多くがまだ不鮮明です。
これは通常の漫画で言えば、わりと致命的でしょう。連載漫画として重要な「掴み」の部分を半ば放棄しているようなものなのですから。
ですがそこで、続編という部分が生きます。物語の一から十までが掴めずとも、前提の世界観だけは説明されずとも、少なくとも前作の読者には分かるわけです。いわば解説の時間がまるまるカット出来るというわけです。また、元々のファンならば多少世界観が分からずとも、前作の「期待値」から気づけば作品を購入しています。前作が面白かった事の期待……つまりは作者様への信頼が、面白くなるかどうかまだ分からない漫画に「いずれ必ず面白くなる」という確信を与えてくれるわけです。
というわけで、本編は早く進んで欲しいところです。
・魅力その2、クソガキ系主人公
福本先生初の女主人公という事で注目されていたマミヤでしたが、蓋を開けてみるとものすごいクソガキでした。礼儀も知性も道徳心も欠片も持ち合わせていないような、生意気な子ども。破天荒な人物が多い他の麻雀漫画の主人公と比較しても、ちょっと他に見ないタイプだと思います。
だからこそ、目を惹くものがあります。
生意気で口八丁なマミヤのキャラクターは、他の登場人物との掛け合いの中で光ります。掛け合いばかりをしていると物語のテンポが損なわれますが、単純にギャグ的な面白さが発生します。
もちろん、ただ生意気なだけではありません。真面目な顔をして言う事は意外と真理を突いていますし、きちんと主人公としての資質が見え隠れしています。ただその中でもやや過剰にクソガキ的な面が目立つという事です。
とにもかくにも新感覚です。
・魅力その3、斬新なルール
福本先生が描く麻雀は、良い意味でまともではありません。
「天」における持ち点が増えない減点式麻雀に始まり、「銀と金」の西京麻雀、「アカギ」の鷲巣麻雀、「カイジ」の十七歩、etc……
いずれも非常に変則的ですが、とても面白いです。特に十七歩に関してはゲーム性を多方面で評価されており、多数のスマホアプリで十七歩ルールが採用されているほどです。
今回の麻雀も「闇麻」という、独特なルールが特徴的なゲームです。このルールを福本先生がどう料理していくのか、楽しみでなりません。
総評
福本先生期待の麻雀漫画ですが、まだその真価は読めません。面白そうな気配はするのですが、まだ確信には至らない感じです。成り行きを見守りましょう。
私的好感度:52/100、オススメ度:39/100