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漫画紹介「ヒナまつり」

ジャンル:ギャグ、全19巻

「ヒナまつり」はKADOKAWA発エンターブレイン「ハルタ」に連載していた漫画で、作者は大武政夫先生です。

最高に面白いギャグ漫画です。ギャグ漫画というジャンルに絞れば、これ以上のものを探すのは難しいのではないかと思うくらい、私的には最高級の漫画でした。その魅力を少しでも多くの方に知ってもらいたいがために、わたしは記事を書きます。

・あらすじ

ディストピアな世界からやってきた超能力少女ヒナは、ワープした先で出会ったインテリヤクザ、新田義史の家に住まう事になる。常識知らずで超能力を振りかざして自分を脅すヒナを相手にしかし、面倒見の良い新田は辛抱強く流されるままに扶養する。そんな奇妙な関係の二人には、いつしか家族のような絆が芽生えてゆく。

ハートフルさいっぱいのギャグ漫画。

・魅力その1、全編ギャグ

これはギャグ漫画です。

物語の縦軸こそあり、舞台設定は踏み込むと極めてシリアスな側面もありますが、作中でそれが取り沙汰される事はほとんどありません。

ヒナの過去は重苦しい奴隷のような冷たさが垣間見えますし、そもそも新田さんがヤクザなので、黒い部分は少なからずあります。

けれども作中の雰囲気そのものが非常にコミカルで、一瞬のシリアスが吹き飛ぶほどに圧倒的なギャグが襲ってきて、暗くなるヒマもありません。

仲違いや感動などの展開になる話もありますが、そういう話すらもほぼほぼギャグで構成されているので、どの話もハズレなく笑いが得られます。

そしてギャグのレベルは極めて高いです。

シュール系、言葉遊び系、変顔系などなど、ギャグのジャンルは細分化されておらず、全ギャグ漫画好きにオススメできるオールラウンダーです。

・魅力その2、成長する超能力少女

主人公のヒナは超能力少女として、散々暴れまわります。

が、父親代わりの新田さんの教育の賜物かだんだんと成長していき、少しずつ常識や生活能力を身に付けていきます。横暴な一面は段々とかげを潜め、他人を思いやる面が強くなっていき、大人になっていきます。

成長するのはヒナだけではありません。

年月の経過とともに他のキャラも様々な面で……良くも悪くも成長します。ギャグがただの一ギャグにとどまらず、時折ハートフルかつ感動的な方向へ向かう物語展開が多く、非常に魅力的です。

・魅力その3、クズのバーゲンセール

この物語に登場するキャラクターはよく成長します。

が、それはそれとして基本的にクズばかりです。

主人公のヒナとて、成長しきった最終巻の時点でも、ある方面から見ると限りなくクズで、作中の登場人物にすらそう指摘される始末。

ヒナ以外のキャラクターも、大概クズばかりです。

自らの手で女子中学生を追い込んでおきながらその女子中学生にプライドを叩き折られた挙句、本業をサボって酒とパチンコにハマるバーテンダー。

娘を持つ母親の身でありながら、ネトゲにハマって家事や娘とのコミュニケーションを放棄し、姫プレイで高校生の主人公を煽りつつ逆ギレする主婦。

仕事をやめて呆れるほどに酒を煽り、暴力で兄に睨みを聞かせて好き放題する妹。

数を挙げればきりがないほどのクズキャラのオンパレードですが、不思議とどの人物も不快ではなく、憎めないキャラとして機能しています。

人間的魅力が皆無であろうとも、ギャグ的に面白ければキャラが輝くという事でしょう。その塩梅が抜群な漫画です。

総評

ギャグ漫画として、間違いなく珠玉の面白さを誇る漫画です。今からでも遅くはありません。ギャグ漫画好きなら絶対に読みましょう。

私的好感度:99/100、オススメ度99/100

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