10月21日はあかりの日
1879年のこの日、アメリカの発明家であるエジソンが白熱電球を発明した日だと言われています。灯りのありがたみを認識するための日だとか。
確かに灯りはありがたいものです。夜でもお手軽に明るさが確保できますからね。灯りがきちんと各ご家庭に行きわたったのは、今からせいぜい百数十年ほど前の事。それ以前は行燈やたいまつの火なんかでなんとか暗さから逃げていたのでしょう。そう考えると、ボタン一つで何万時間も点灯し続ける現代の蛍光灯は非常にありがたいですね。
もしも灯りが無かったらと思うとゾッとしますね。当然パソコンやスマホなんぞあるわけもないですし、7時を過ぎたらもう真っ暗である以上、満足に読書に興じる事さえ難しそうです。それこそ暇を持て余しそうです。
現代社会は、暇を持て余さない優しい世界ですね。
でも日が落ちても活動出来るようになったから、その分だけ各々の労働や努力のための時間も増えていると思います。そう考えると、現代社会はもてあまる暇も無いほどに忙しいだけなのかもしれませんね。
まあなんにせよ、灯りがありがたいという事は確かなわけですし。エジソンを敬ってみましょう。
さて、あかりといえば思い出す本を一つ紹介します。
「GOTH」「夏と花火と私の死体」で有名な乙一の小説「暗いところで待ち合わせ」は、わたしの心によく残っている印象的な作品です。
後天的な全盲で家の外に踏み出す勇気を持てない女性の下に、社会性の無さから会社でつまはじきにされた挙句に上司殺害の疑いを掛けられた男性が転がり込む……と、そういうお話です。
物語全体を包むダークさに、少しの不気味さと不思議さ、そして最後に残る穏やかさは、他の作家の作品にはなかなか見られない独特なもので、個人的に非常にツボでした。
灯りとは無縁の物語ですが、明るさ暗さという意味では実に象徴的な題材だと思ったので、紹介しました。オススメです。
そういうわけで、明日はあかりの日。あかりを見て安心しましょう。
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