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感想「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 喪195」

本日、わたモテ更新日です!

感想を語ります。

・前回の感想

感想記事をリンクします。

以下、最新話のネタバレ注意!

喪195 モテないし個性

今回は日常回……箸休めですね。

……

文化祭はまだですかね?

もうここまで焦らされると、逆に文化祭回が来るのが怖くなってきます。普通の日常モノなら話の縦筋が展開されるイベントは期待して然るべきなのですが……わたモテは普通の日常モノではありません。連載初期、もこっちの学生生活の半分を占める孤独と恥辱の上に奇跡的なバランスで成り立った薄氷のような日常モノなのです。そして孤独が解消された今でも、時折連載初期のような吐き気を催しかねない恥辱の影が要所要所で見え隠れしています。そしてその伏線が文化祭という一大イベントの下で爆発したらと思うと……

念のため言っておきますが、個人的な感想として、わたしは初期のわたモテも好きです。ここ最近でももこっちが初期の頃のような言動をしていると嬉しくなります。漫画としてももこっちが主導でエキセントリックに動くととても面白いです。

でもそれはそれとして、読んでいるとなんだかお腹が痛くなるのもまた紛れもない事実です。これはわたしだけではないでしょう。あまりに無慈悲かつリアルで生々しい描写の数々に、思わず目を背けたくなる……あるいは動悸を起こしたり精神を不安定にさせられるのは、この漫画の特色ではないでしょうか。

こういう風に創作物に対して激しく感情を揺さぶられるのは、この上無く楽しい事です。捧腹絶倒のギャグ漫画でお腹を抱えて笑い転げたり、感動的なハートフルストーリーに思いっきり涙したり、驚天動地な叙述トリックに心を打たれてしばらく思考が追い付かなかったりするのは、お粗末な出来の作品では絶対に体験できません。そういう意味ではわたモテは芸術的であるとさえ言えましょう。

ただし滅茶苦茶有害です。

上質なホラーを見るとしばらく夜一人で眠るのが怖くなるのと同じように、あまりにインパクトの強い展開が来ると体調を崩しかねません。翌日に差し支えるのはちょっと怖いです。

もちろん怖いもの見たさという事で感情を揺さぶられまくるのは楽しいので、期待半分畏怖半分といったところです。

長くなりましたが、結論わたモテは上質なホラーという事で。

以下、きちんと本編の内容を語ります。

・教室内でスポーツ新聞

ギャグ漫画で一コマ目から笑ったのは久しぶりです。

絵面が卑怯です。開幕で無言の小宮山さんがアップで出るという構図だけで笑えます。出たら確実に目立つという意味では常に集中線を引っ提げているようなキャラなので、絵面の破壊力は抜群です。

しかし、そうですが……今回は小宮山さん回ですか。

大好物です。ありがとうございます。今日まで生きててよかったと、今日初めて思いました。

・コオロギに嫉妬

あくまで天然で奇行に走る小宮山さんに対して対抗心を燃やすもこっち……なんだか懐かしい構図です。この低地での争い、大好きです。「教室で新聞を読む」という行為にキャラ性を見い出し対抗しようとするもこっちは本当にエンターテイナーの鑑ですね。

さて、どうやら小宮山さん、ロッテの試合結果を気にして新聞を購読しているようです。スマホのネットニュースでも似たような事は書いてあるのでしょうけれど、それはそれとして新聞記事でも勝ちの報道を読んで楽しみたいという気持ち、よく分かります。理想的ファンですね。それはそれとして読み物として別のページもしっかり読み込んでるのは知りませんが。

・つーか おい記事!!

……

また下ネタ……

本当に小宮山さん、どんな新聞読んでんでしょうか。

普通の新聞にこんな文章載ってます? 完全にいかがわしい情報誌じゃないですか。天然でやってるのが小宮山さんらしくて面白いです。

そんな小宮山さんのキャラの強さに対抗するもこっち。対抗する箇所のピントが激しくずれているのが笑えますね。

・朝から何やってんの?

……

朝なのか……

まあコンビニに寄れるタイミングはそりゃ朝でしょうけれど……朝から雑誌とアイスコーヒーはともかくとして、お菓子……しかもがっつりスナック系とチョコ系で別に用意してるのは完全に変人ですね。小宮山さんに負けてない……どころか完勝してる気がします。勝ちっていうか負けですけど。

そういえば教室で雑誌とお菓子という組み合わせは、2年生初期に既にもこっち自身がやっていましたね。あの時は突っ込んでくれる友人がいなかったので悲しい結果に終わっていましたが、今は早速ツッコミが入るあたり、あの頃とは違うというのが感じられてほっこりします。

・ただのやべー一角になってる気がする

そしてそのおかげか、もこっちはあの頃よりも自分を客観視できるようになっているという印象を受けました。まあこの一事に関しては当たり前の帰結ではあるのですが、ここでドツボに嵌らないのが3年生もこっち、流石成長性Aを自称するだけありますね。

・作ったキャラではホンモノには遠い

当たり前のように小宮山さんを変態扱いしているのは今更なのでスルーするとして、もこっち的にこのアプローチは失敗だと思ったようです。

確かに天然ボケと計算ずくのボケとは味が全然違うものです。今回もこっちが小宮山さんに対抗しようとしているのはあくまで「個性」であって、飾らない自然なキャラじゃないと意味が無いのでしょう。

こういう風に割とどうでもいい事に対してもこっちなりに試行錯誤してる姿、すごく好きです。

さて、参考とまでにもこっちの興味は吉田さんに向かいますが……

・ロッカーやべぇ!!?

……

可愛い。

まあヤバいのは否定できませんが。

しかしもこっち、特に前後の流れ関係無しで心の中で吉田さんの事をきちんと「吉田さん」という風に呼んだの、もしかして今回が初めてだったりします? いつもはヤンキーとしか呼んでなかったように覚えてましたが……

ひねくれ者のもこっちが本心から心を許している風なのが伝わってきて、ちょっと嬉しくなりました。

・柔軟

もっとやべー奴いましたね。

っていうかぶっちぎりでやべーでしょこんなん。

以前智貴が3-5に来た時も二木さんは教室で柔軟していましたが、ろくに登場していないあの頃とキャラが十分に立った現在とでは全く印象が変わってきます。教室でこんな事してたら二度見……いや三度見くらいはする自信があります。その様子にキバ子がもう慣れた風なのがちょっとツボでした。

・3-6行くの付き合って

加藤さんの「智ちゃん」呼びも慣れてきましたね。もこっちの方は意図的に「あすか」呼びを避けている風なのが気になりますが。

そして二人の位置関係が面白いです。「付き合って」と言いながらもこっちの後ろを陣取る加藤さん……もこっちに甘えているみたいに見えます。

この後の展開を見ても、ここで加藤さんがわざわざもこっちを伴う必要は全くありませんでした。風夏や美保に会うのなんて一人で十分ですし、その後何か特別な用事があったという描写もありません。だからこそ、加藤さんが本当にもこっちと一緒にいたかっただけという無意味かつ意味深な事実が浮き彫りになって表れます。非常に美味しいです。

・読みたいのあれば借してもいいぞ

風夏の机汚い……

こんな足元に雑誌が積まれる事あります? それだけ風夏ががさつという事なのでしょうけれど……

登場以来三枚目を演じ続ける風夏、もうすっかり「愛すべきバカ」ですね。もこっちへの態度も敵対心が見られず普通の友達みたいで微笑ましいです。加藤さん相手と違って全く緊張していないのもミソ。

さて、ヤンキー二人もなかなか濃いムーブをしているようですが……

・私ってもしかしてキャラ薄いのか…?

……

…………

……………………

そんなわけないだろォ――――ッ!

と言いたいところですが、確かに最近は周囲のキャラに圧され気味ですね。もちろんもこっちのキャラは総合的にかなり濃いはずなのですが、読者としては要所要所で濃い他のキャラの印象が強くなってきていて、もこっちのキャラの濃さが印象に残り辛くなっているように思えます。主人公のキャラが薄くなりがちなのは群像劇の宿命といえばそうなのですが。

そう考えるとここのもこっちの独白は、ある意味メタ発言ですね。

・ゴミ箱に変態のなごり

この新聞、こんな記事しかないんですかね……

こういう単純なワードパワーの高いギャグは必ず笑っちゃうので困ります。

・悩んでる風から急に悪口言ってきた

もこっちとゆり、本当に遠慮無い感じで会話しますね。前からこうでしたっけ?

以前は無表情陰キャむっつりエロ暴力のうち暴力の側面が強く、もこっちの発言に対して物理的な反撃がメインウエポンだった印象が強かったのですが、少しずつ関係が変わっているような気がします。ゆりの毒舌は、もこっちとの日々の会話の賜物なのでしょうか。面白いです。

・自分の薄さが気になってきて

ゆりやネモのキャラについてはともかくとして、ここの独白を聞く限り、もこっちは自分のキャラの薄さに関してはそこそこ深刻に受け止めているようです。エンターテイナーとしてのプライドか、友達がいなかった頃と比べて自分のアイデンティティーが揺らぎかけている事が気になっているのか……おそらくその両方でしょう。そう捉えられるだけの材料が、これまでに何度か登場しています。友達が増えた事に対して、もこっちなりにネガティブな側面とも向き合っているようです。

・自己評価の高さが普通じゃない

ここはもこっち、意図的にツッコミ待ちのセリフをぶん投げた感じがしました。ゆりがツッコミを入れる事を前提とした会話である事が露骨に伝わってくる言い回しですね。

昔のもこっちは確かに自己評価が高かったですが、段々と自分を知るうちにその側面は完全に消え去ってしまいました。そこだけはもう不可逆だと言い切ってもいい部分だと思います。

・キャラなんてなろうと思ってなれるもんじゃない

……

まとめのセリフとしては悪くないと思うのですが……

キモち悪い……

そして最後の大ゴマが切実で何とも言えない……

とりあえず小宮山さんの体型に関するコンプレックスは未だ健在という事ですね。だから何だという話ですが。

総評

一話完結の日常回としては笑いどころが多く、面白かったです。

しかしもこっちの「キャラが薄い」という悩みは結局解決されませんでしたね。文化祭回に持ち越しでしょうか。

これに関しては文化祭でもこっちが目立つだけである程度消化されそうではありますが……展開が全く読めないのでちょっと怖いです。

次回は文化祭か、別の回か……どっちでも楽しみです。

喪195の満足度:95/100

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