感想「僕の心のヤバイやつ Karte.80」
本日、僕ヤバ更新です!
面白かったので語ります。
・漫画紹介
・前回の感想
以下、最新話のネタバレ注意!
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Karte.80 僕はおままごと
前回、山田の職場を見学する事になった市川。今回は早速その話のようです。展開が早くて助かりますね。
・服……
市川、おしゃれです。いつもと違う趣味の服……これはモデルの職場見学という事で、いつも以上に気合が入っているという事ですね。
……
いや、可愛いわ。
ぱっと見ミニスカと黒タイツ履いてるように見えます。小さめの体躯も合わせて、女子っぽいです。似合ってるっちゃ似合ってますけど。
そしてわざわざ姉を起こしてまでファッションチェックを依頼する市川、柄にも無くて笑えます。「おい」という声掛けからの「ヘンじゃない?」という柔らかめな口調に「どうも」というぶっきらぼうな去り方……非常に良いです。反抗期かつ姉との仲が良好である事がよく分かる一連のやり取り、微笑ましくて大好きです。
寝起きのおねえも可愛い。
・差し入れ
……
いや、可愛いわ!
差し入れに向いているかはともかくとして、これは可愛い。TPOに拘わらず歓迎されるタイプのスイーツですね。イメージで動くのがまた市川らしい。
・人がいない
まあ日曜の朝7時台は人なんてほとんどいないでしょう。
っていうかモデルの撮影ってそんなに朝早くやるものなんですかね? 人が少ない時間帯を狙ったという事でしょうか。いずれにしても撮影=人混みのイメージを裏切られた市川、かなりの窮地です。どうあっても目立ちますからね。
・なんか今日可愛いね
……
なんかヤバそうなキャラが出てきましたね。
カマキリみたいな目とでも表現すべきでしょうか。強キャラ感に溢れています。山田よりも背が高いという事は、この人も相当な長身です。同じくモデルでしょうか。ナンパイですら霞んでしまいそうな濃さを持つこの人は、随分山田と親しそうです。山田も満面の笑みを湛えているところを見るに、本当に親しいのでしょう。
そんな二人のやり取りに、市川は打ちのめされます。山田が自分ではない他の誰かと親しくしていた事にではなく、自分と違う世界に生きる山田達の姿そのものに。恋愛感情としての嫉妬すら筋違いに思えるほどのネガティブな感情が市川を襲います。
山田がモデルなのは、今に始まった事ではありません。市川もまた、その事を知っていました。しかし実際にその姿を目の当たりにする事で認識を改めるという構図は面白いです。
・なんだこの服…
急に冷静になるのは心が痛みます。気合を入れて臨んだ朝の描写がきっちりあるだけに、胸が痛くなってきます。
いや、可愛いですよ。
でもそういう次元の話じゃないんですよね。
畳みかけるように世界が違いそうなスイーツまで出てくる始末。ありとあらゆる方面で場違いさを自覚するこの感じ……居たたまれないです。
・おままごとみたい
もはや完全にシームレスな登場を可能とした濁川くん。しかしいつもと違って屋外で具現化するあたり、本気で市川の精神状態が危うい事がよく分かります。傍から見ると完全に独り言ですし、市川自身それを全く意識していないように見えます。それだけダメージが大きかったという事にもなりますが。
しかしこの絵面、なかなかシュールです。このコミカルな絵面が、市川への共感による読者の精神的ダメージを緩和してくれますね。本当に濁川くんは良いキャラです。
・僕には関係ないことだし
……
…………
……………………
ちょっと金剛先輩に物申してもらおうと思いましたが、そういう雰囲気じゃなさそうなのでやめておきます。
ここの市川はいつになくネガティブというか卑屈ですが、もしかして濁川くんがいるからでしょうか。自分の中で否定と肯定を繰り返して、心の整理を測っているとしたら、絵面で感じるよりもポジティブです。濁川くんも市川の一部なので、市川の否定を否定する濁川くんの意見もまた、市川の意見に他ならない……なんか文字に起こすと余計に分かりづらいですが、要するに市川はただ卑屈なだけではないという事です。
・俺の想いは本気じゃないのか?
濁川くん、かっこいいです。
……いや、結局ところ市川の自己解決に過ぎないのですが。
ともかく、良いセリフです。
山田の生きる世界が本気だとして、それが市川の生きるそれとは別の領域にあるとしても、市川の山田への想いもまた本気。ならば恥じる事など何もありません。市川が引け目を感じる事など、何もありません。
・途中だろ
満を持してヒロイン登場。隠れて見守っていた市川の離脱に気が付き、仕事中に抜け出すという離れ業……これはヒロイン。
・あんまり楽しくない…?
市川の離脱を重く捉えたのか、しっかり腰を据えて話し込む体勢に入る山田。まあ直前に「なんでもないから戻れよ」なんていつになく突き放した言い方をされたら気にもなります。市川、ちょっと濁川くんがいる時の話し方引きずってません?
これに対する市川のセリフ「楽しいとか楽しくないとかじゃないだろ」というのは、仕事をする側の山田サイドへの問いかけになっています。しっかり市川に話題を逸らされている山田ですが……
・正直なんで続けてるんだろ
以前市川を家に連れてきた時、山田は自分のコンプレックスを語っていましたが……それは今のモデル業でも同様だという事が明らかになりました。
結局山田が今のモデル業をやっているのはそれが自分の得意分野だからというわけではなく、好きでやっているからという事です。それを気づかせてくれたのが他でもない市川というのはなかなかに運命的です。
・知れば知るほど辛い
山田からすれば市川が自分に自己肯定力を与えてくれたというお話ですが、市川からすればまた一つ山田との世界の違いを思い知らされたというお話でしょう。これは辛い。
そして何気に現場からの催促であろう電話を切る山田。仕事が好きだと言った直後にこの行動……山田にとってはそれだけ今の市川の気持ちを知る事が大事なのでしょう。翻ると、それだけ市川の事が好きだという事。山田の市川への気持ちもまた、本気だというのが窺えます。
・もし山田が普通の中学生に戻ったら
そうなったら、今市川が抱えているコンプレックスが消滅します。違う世界にいる山田は存在しなくなり、大手を振って等身大の山田を見つめる事が出来るでしょう。
・そうだったら――……こんなに好きになってない
何も言わず行動で気持ちを示すその姿勢……非常に良いです。
突然手を引かれ、当初は驚いていた山田でしたが……市川の意図に気が付いたらしく、覚悟を決めたような顔をしています。
そして現場にてその手を離さないというまたしても離れ業。山田の胆力は無限大ですね。ちょっと一度、山田視点の僕ヤバを見てみたくなりました。
しかしこれは結構ヤバい状態では?
モデル業というか、女優のような仕事もしている山田の身は、その手のスキャンダルを良しとしないでしょう。良くて解雇、最悪賠償請求まで考えられるレベルの最悪さではないでしょうか。市川が山田の手を引く姿を通行人にも見られていますし、これはもう完全に責任問題です。
どうしましょう。このままなあなあで済ませられるでしょうか……
・お友達……って感じじゃなさそう
あっ……
これは絶望的です。
強キャラさん(仮)の圧を見る限り、ただでは済みそうもありません。
市川が女の子だと思われればあるいは……
……いや、なんでもないです。
しかしこの絶望的な状況下で、山田は真顔です。彼女は一体何を考えているのでしょうか。まさかモデル業を捨てるつもりではないでしょうけれど……
こういう時、山田のモノローグが出ないのが非常に悩ましいです。チョコ作り回で散見したように、山田は結構考え無しなところが多々あります。しかしこれは……
総評
謎の強キャラさんに濁川くんと絵面が充実した回である一方で、非常に危機的状況での次回持ち越し……非常に気になります。
そして今回、すごく面白かったです。ここからどうなるのか、予想もつきません。次回が楽しみです。
Karte.80の満足度:100/100
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