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10月16日はボスの日

1958年、アメリカで提唱された記念日です。ボス……つまりは会社の経営者や上司に感謝の贈り物や接待をする日だと言われています。

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もちろん、任意ですよ。感謝なんて、言われてやるものではありませんからね。本当に感謝の意を示したい大恩ある上司がいる場合にのみ実施すべきだと、わたしは思いますよ。

上下関係がある場合の距離感って、難しいですよね。自分が下の場合は失礼な言動にならないか気を付けなければならないし、上の場合は権力を利用して付き合いを強要させてはいないかと心配しなければならないし、フラットな人間関係よりもよほど難しいと思います。わたしの社会性の問題かもしれませんが。

だからこそそういう壁があるという前提の下、こういう記念日で素直に祝いたいと思える、あるいは祝ってもらえるような関係には憧れてしまいます。

人間関係、頑張ってみましょう。

さて、日本人としては、ボスと言われて社長よりも先に、ゲームの強敵を思い浮かべてしまうのはゲーム脳でしょうか。

わたしの印象に残っているボスは、「ドラクエ7」の「ヘルクラウダー」です。見た目や戦闘のシチュエーションでのインパクトはともかくとして、とにかく「強いボス」だからです。

リファ族という翼が生えた人類が繁栄する「聖風の谷」のエピソードにて登場する、黄色い雲に乗った老人のかたちの魔物がヘルクラウダーです。ドラクエ史においても特に強いボスとして、悪名高いモンスターと言われています。

味方全体に100前後のダメージを与えてくる「しんくうは」を使い、眠りの状態異常を負荷する「ラリホー」を使用する仲間をたくさん呼び、しかも時々2回行動までしてきます。周辺のザコモンスターや前後のボスと比べて、頭二つくらい抜けた性能なのです。

ただしこのドラクエ7というゲームそのものの難易度は、決して高くありません。旅の途中でサブイベントを見るための寄り道をしながら順当にレベルと職業の熟練度を上げていけば、ダーマ神殿以降はヘルクラウダーに限らずほとんどのボスに苦戦しません。このゲームの難しいところは、だから概ね序盤なのです。

じゃあどうしてヘルクラウダーがそんなに印象に残っているのかというと、話は簡単です。苦戦したからです。

矛盾したような事を言っているようですが、論理的なお話です。順当にレベルや熟練度を上げなければ、苦戦は必至というわけです。

つまりは縛りプレイですね。

ドラクエ7は、職業に就くのが前提のゲームです。無職のまま進むと回復呪文はベホイミまで、蘇生呪文はザオラルまでしか覚えません。攻撃呪文も主要な特技もろくに無いので、必然的に搦め手多用な戦い方になります。

そうなると、通常プレイではアルテマソードやギガスラッシュを上からぶち込んで倒すヘルクラウダーも、御しがたい強敵になるわけです。一つしか持てない全回復アイテム「せかいじゅのしずく」を惜しみなく使い、ニフラム効果のある「ふうじんのたて」で呼び出されるザコ敵をちまちま処理し、ベホイミとザオラルのみで奮闘するという戦い方しかないのです。

でもこういうの、楽しいんですよ。

レベルを上げて物理で殴るのも楽しいですが、制限を設けて苦戦するのも楽しいです。普段使わない補助アイテムを使用しまくる戦い方を採用すると、そのゲームの要素をさらに深くまで楽しんでいるという充実感から、さらにゲームが好きになれます。縛りプレイの基本ですが、そういうのは大事だと思います。

縛りプレイで、なんという事も無いボスの魅力に触れましょう。

そういうわけで、明日はボスの日。現実なりゲームなりで、ボスにしっかり「接待」してあげましょう。

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