感想「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 喪192(後半)」
本日、わたモテ更新日です!
好きなだけ語りましょう。
・前回の感想
感想記事をリンクします。
以下、最新話のネタバレ注意!
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喪192 モテないし文化祭までの毎日(後編)
前後編という事で、前回に引き続きオムニバス形式です。
・ブラック
ゆり真子もこっちのよく見る三人組のごく普通の会話劇……に割って入るうっちー、唐突過ぎて笑いました。まるで最初からいたかのようなポジション取りとセリフにもこっちの反応も相まって、「慣れてる感」がちょっとシュールです。まこっちの表情が無かったら本当にスルーしかねないレベルの自然さ……うっちーのストーキングスキルの高さが窺えます。
というかうっちーの出現でまこっちが激しく割りを食ってません?
ゆり真子もこっちの世間話だと、もこっちが話を振ってゆりが天然ボケか無慈悲なツッコミを入れて、それにまこっちがフォローを入れるみたいな流れがなんとなく想像できますが、オチをうっちーが持って行ったためにその場にいるにも拘わらずまこっちが終始無言というシュールな絵に。
・怖がらないといけない
直前のコマでまこっちとゆりの間にいたのに、強引にもこっちの隣を確保するうっちー、好き。社交的な性格のうっちーですが、気を遣わなくてもいい相手にはとことん気を遣わない事にしているのか、ゆりに対しての遠慮の無さが露骨です。ゆりも見知った相手には遠慮しない性格ですし、これも一種の良いコミュニケーションかもしれませんね。
さて3-4の案であるお化け屋敷に対してのもこっちの理論、独特なのにすごくよく分かるの、面白いです。コミュ障あるあるとでも言うべきなのでしょうか、その場のノリを図りあぐねてしまうという謎の懸念。非常にもこっちらしいです。とりあえず絵面と間がシュールで笑えます。
そして結局一言も発さないまこっち。
回想の中でさえ登場しない不憫な女まこっち。
リアクション出来る側にも出来ない側にも分類されないまこっち。
……何故でしょう。ここまで来ると影が薄いとかいう以前の何かしらの意図を感じずにはいられません。メタ的に言うなら、ここのまこっちはそもそも登場する必要のないキャラです。それを敢えて登場させて、その上セリフが無いというのは、何かある気がします。
吉田さん関連ですかね? もう一波乱あるのか無いのか……
・自嘲
……
…………
……………………
ひえっ……
いや、まあ順番に見てみましょう。
まず話題は一昨年の文化祭。もこっちがまだ完全にぼっちだった苦い時代であるがゆえに微妙な反応になるの、好きです。やっぱりあの時代あっての今のもこっちだと感じられます。
もこっちはクラスの出し物にほとんど関わっていなかったからこそ今まで全く出てこなかった情報、女装メイド。
清田も和田も特徴を残したまま、いい感じに仕上がってます。清田は自分で振り幅を語るだけの事はありますね。
そして和田。
……
あのさあ……
和田って三年進学時辺りから頭角を現してきたキャラですが、未だに底が知れないんですよね。「モテない」のがこの漫画の主題である以上、男子の掘り下げが少ないのは必然ではあるのですが、それを考慮しても尚底が知れません。
目にハイライトが一切入らないせいもあって、二年時のネモみたいなミステリアスさを感じます。
一時期何故か清田に「和田さん」呼ばわりされていたり、今回も岡田さんに対して「あーちゃん」と気安い呼び方をしている事が判明したり、そもそも全体的に仕草が女子っぽいのもあって、なかなか素敵なキャラです。
できればこれから先、男子の掘り下げも見てみたいものです。
さてサブタイの自嘲はもちろん和田のお尻の事ではなく、岡田さんの心情です。
一ページかけて丁寧にボーイズラブについての理解を深める岡田さん、真面目かつ天然で最高に可愛くて好きです。
・恥
このサブタイと一コマ目の風夏でもう笑います。すっかりヨゴレ役が定着した風夏……まあ自業自得ではありますよね。
もこっちに感化されて下ネタ好きの三枚目に堕ちてしまった風夏ですが、ビジュアルそのものは登場人物全員を通しても頭一つ抜けています。社交的だから女子からの人気があるようです。ノリマキを彷彿とさせるモブフェイス達の表情を見る限り、もこっちに対する雫後輩のような一種の憧れを示している人も少なからずいるようです。
そして今回新たに、風夏は歌が上手いという設定が登場しました。
スポーツ万能でイケメンで、その上さらに特技が追加されるとは……才能の塊ですね。本当にヨゴレでさえなければ……いいえヨゴレでも加藤さんもびっくりのハイスペックウーマンです。
もこっちの相変わらずのメスゴリラという認識はともあれ、風夏は本当にすごいです。
だからこそ今の風夏のバカっぷりが、加藤さんには頭を抱える要因になっているのでしょうか。
そろそろ風夏と加藤さんとの仲が本格的に危うい気がしてきました。一度腹を割って話し合ってほしい二人です。ギャグで雑に処理されそうな気もしますが。
・見える景色
まさかのサチ回。
前の回でキバ子と歴史的和解を終わらせたサチにはもう物語上の役割は無いものだと思っていました。極端な話、このまま最後までフェードアウトしても不思議ではないとさえ思っていました。
確かに伏線はありました。二木さんが目撃し、キバ子が出会ったサチのあの場所を落ち着く場所だと重宝していた人物は確かにいました。
でもまさかここで智貴が登場するとは思いませんでした。
智貴は口数が少ないですが、姉と違ってコミュニケーション能力に長け、姉やその親友のせいで女子に慣れ切っています。幻滅しているのかもしれませんが。
だからその場に知らない女子がいても、そのままそこで食事を摂るという選択肢を取り得ます。言葉足らずながらも、不自然ではない程度に声まで掛けて。
……
当然そんな状況、普通は動揺しますよね。
知らない異性の生徒と二人きりで食事なんて、シチュエーションとしては意識せざるを得ないはずです。
現に二人で並び座っているその光景は、良い意味で絵になっています。
意識するのが普通です。
姉を始めとする変態変人達にこれでもかと振り回される常識人な智貴がその普通から逸脱し、友人関係全てを投げ捨て人間関係に対して達観しきっていたはずのサチが普通の範疇にいるというのが象徴的です。
以外にもサチ、男子に対してあまり耐性が無いようです。あれだけ陰キャをばかにしておきながら、恋愛経験の一つも無いとはサチらしい空虚さです。そういう空虚さを、これまではキバ子やノリマキなんかで埋めていたのでしょうか。
「むしろ私が動揺してる…」
これはギャップですね、間違いない。
・クラスどこですか?
こんな事を聞かれると、普通さらに意識しますよね。
所属を訊ねるという事は、それだけ自分に興味を持っているという事。また会いたいと思われていると感じるのはそれほど不自然な思考ではありません。
まさかそれが姉と同じクラスか否かの確認で、しかもその返答でまともか否かを推し量ろうとしているなんて、どうやっても思い浮かばないでしょう。
こう見ると完全にジゴロですね、智貴。
話の流れで智貴に3年の女子に知り合いがいるという事が分かったサチですが……
・「え!? ヤリチン!?」
……
こんなん笑うわ。
サチの思考がもこっち並みに飛躍しまくっているのが面白いです。やべー奴だとは思っていましたが、まさかこんな方向に振り切っているとは思いませんでした。
たった一話で印象が変わりすぎでしょう、サチ。即座に智貴をナンパ目的だと誤解するこのポンコツっぷり……友人が消えて毒が抜けたら駄目になるなんて、ここに来て新しいキャラ付けです。
・私じゃん
……
……??
思考が全く追いつきませんでしたが……
サチ、ちょろくないですか?
キバ子編ではあれだけラスボス感を出して猛威を振るっていたサチがこんなに簡単に恋愛オチするなんて……いやいやいや。
もうね、ヤバいですよ。
顔が出てから毎話株と魅力が変動し続ける女、サチ。
前回までのキャラとの落差がすごすぎて、上手く言葉には出来ませんが……ものすごく興味深いです。
・ない
ただ、智貴との恋愛模様になれば、間違いなく立ちはだかる人達がいますよね。
紗弥加はいよいよやべー奴ですね。朱里の体調不良に全く気付かず捲し立て、智貴を意識する発言。
お前中村はどうしたんだよ。
これだけクソムーブかまされても怒らない朱里は聖人ですね。ますます株が上がります。それはそれとして、紗弥加はそろそろ殴られてもいい頃だと思いました。
総評
オムニバス形式なだけあって、情報量の多い回でした。
でもやはり一番はサチと智貴の絡みでしょう。
このままサチが関係を進めようとすれば、間違いなくあの狂犬とかち合うでしょうし、その展開が面白くないわけがありません。
そしていよいよ始まる文化祭。
期待される展開が山ほど詰まった、間違いなく長編となるストーリー、期待大です。
喪192(後半)の満足度:100/100
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