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5月21日は探偵の日
1891年、新聞に「探偵」という職業の広告が載せられたのを由来に、この日が制定されたそうです。
探偵という職業は推理小説をはじめとする様々なフィクションで有名ですが、別に推理小説よろしく殺人事件を解決するのが業務内容というわけではないという事は、誰もが知っている事でしょう。
探偵の仕事はいろいろありますが、主は調査だそうです。例を挙げれば素性調査が分かりやすいでしょう。
例えば兄弟や親、子どもといった自分と親しい人物が結婚する際、その相手をよく知らないという状況は不安でしょう。もしも相手が悪い素性の持ち主で、そんな人物と結婚してしまったがゆえに自分の親しい人物が不遇を囲うのを好ましく思わないのは、人情でしょう。
また、行方不明者の捜索を行う行方調査というものもあります。何らかの理由で蒸発した人物の他、海難事故等によって行方知れずとなった人物なんかも探してくれるのだとか。
行方調査は警察の領分でもあるのですが、探偵は警察と違ってお金を受けて仕事をする民間企業なので、通常ならば調査を打ち切りにされてしまうような長い期間の調査も、お金さえ払えれば永続的に行ってくれるのが最大の違いでしょう。
民間企業という部分で、警察にはない様々なメリットがあるわけです。そう考えると、現実的なタイプの探偵もフィクション栄えする絵になりそうです。
もっといろいろと探偵について調べてみると、面白いかもしれません。
探偵を調査するとは、なかなか捻くれていますね。
さて、探偵といえばこの……という枕詞の後に登場する物語はいくらでもあります。探偵モノなんて、一大ジャンルですしね。
でも敢えて紹介します。とびきり良質なのを。
「アクロイド殺し」はアガサ・クリスティーの最も評価の高い推理小説のうちの一冊です。
アガサ・クリスティーといえば「オリエント急行殺人事件」や「そして誰もいなくなった」辺りが有名で、その二作は推理小説を知らない方でもタイトルくらいは聞いた事があるでしょう。「オリエント急行」に至っては、ほとんどの方が結末さえも知っている事でしょう。
ですがこの「アクロイド殺し」、同じくらいの傑作でありながら一般的な知名度は無いようです。
どうしてでしょう。確かに王道とは言い難いのですが、間違いなくそれ以降の推理小説の定説を塗り替えたとさえ言える衝撃作です。まあ、裏を返せば問題作だという事でもあります。とはいえ面白い事には何の変わりも無いので、是非とも手に取ってみてほしい一冊です。
あらすじはシンプルです。語り部のシェパード医師の親友である村の名士、アクロイド氏の死を解明する物語……という感じです。
なお、この小説はアガサ・クリスティーで最も有名な探偵「エルキュール・ポアロ」の登場作品です。ポアロシリーズで言うと3作目という事になります。
内容については触れませんが、名作です。
そういうわけで、明日は探偵の日。探偵小説を読みましょう。