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【個別記事】七つの大罪:ホーク

8月6日は週刊少年マガジンに連載していた「七つの大罪」という漫画の登場人物「ホーク」の誕生日です。そういうわけなので今日はこの「ホーク」というキャラクターに焦点を当てた記事を書いていきます。

・ホークとは

七つの大罪におけるメインキャラクターの一人……というか一匹です。上の画像を見てもらうと分かりますが、見ての通り豚です。

登場時期はなんと第一話。登場のタイミングは主人公であるメリオダスよりも早く、メインキャラ最速です。

彼自身は戦闘能力をほとんど持たないため戦闘に参加する機会はほとんどありませんが、「人語を解する豚」としてコミカルな立ち位置にあり、解説役やツッコミ役、リアクション役等を担当していました。

いわゆる「名脇役」というところでしょう。

しかしホークは登場当初から多くの謎を抱えたキャラクターで、「七つの大罪」第一部が完結した現在においても尚、明かされていない部分が多くあります。せっかくなのでその辺りを多く語って行きましょう。

・謎その1、人語を解するという事

ファンタジー世界において、人語を解する動物というのは珍しくなく、そこに理由を求めるべきではないでしょう。

ですが「七つの大罪」の世界観において、基本的に動物は喋りません。作中で他に登場した動物は一切口を利きませんし、だからこそホークと初対面の登場人物は皆一様に「人語を解する事」に驚きます。作中ではさらっと流されていますが、明らかにホークがただの豚ではないという事を示唆しています。

この謎は、作中で既に明かされています。

ホークはそもそも現世の生物ではなく「煉獄」という魔人王が支配する世界の生物だという事です。煉獄は普通の生物がおらず、原生生物の「マイルド」は人語を解する猪でした。もっとも、マイルドはホークの兄であるため、煉獄の生物が等しく人語を解するのか、あるいはホークの一族のみが特別な種族かというのは定かではありませんが。

・謎その2、ワンドルという鳥との関係性

七つの大罪にはワンドルという、ホークと同じく人語を解する鳥がいました。ワンドルは作中の時間軸には登場しませんが、かつてメリオダスの良き相棒という、ホークに似たポジションの生物だったようです。

メリオダスがホークと出会ったのは、彼がヘンドリクセンの謀略によって王国を追われた直後でした。その時メリオダスはホークを見てワンドルを連想していました。ホークにもおぼろげながらワンドルの記憶があるらしく、素直に考えるとワンドルはホークの前世の存在だという事になります。

ですが後々になって、その事実が疑わしくなってきます。

ホークが煉獄の生物だと判明したからです。

ワンドルはホークと同じく人語を解する生物です。であれば彼もまた煉獄の生き物という事になるのでしょう。

ですが元々煉獄の生物だったホークが現世に送り込まれたのは、魔神王がメリオダスを監視するためでした。作中において、煉獄と現世を行き来する術はそう多くありません。少なくとも煉獄側から現世へ行くための手段は、作中で示されている限りでは魔人王を解する必要があります。ワンドルが魔人王と渡り合える実力者でない限り、魔人王側からの協力が不可欠でしょう。そうなるとワンドルとホークは、同じように魔人王の手で煉獄から現世に送り込まれたという考えが自然でしょう。

魔人王に現世に送り込まれた者同士であるワンドルとホークが、奇しくも生まれ変わりの関係にある……という偶然が、果たしてあるでしょうか。

魔人王側に監視者の輪廻転生を操るメリットがあるとは思えませんし、偶然なのでしょうか。あるいは煉獄の生物は皆、漠然と個の記憶を受け継いだりするのでしょうか。

現時点で煉獄の生物の情報が少なすぎる以上何とも言えませんが、今さら回収されるほどの伏線が残っているとも思えませんし、ここは想像するより他は無いのでしょう。

あるいはわたしが何かしら重要な情報を忘れている・見落としているという事もあるかもしれません。今度単行本全冊読み返してみます。

・謎その3、不死である理由

ホークはヘンドリクセンとの戦闘において一度、確実に生命を失っています。ホークが白い魔人族の力を得たヘンドリクセンの攻撃から味方を庇った際に生命を奪われ、真っ黒になって絶命しました。直後にドルイドの力に目覚めたエリザベスの力をもってしても、死者を蘇らせる事は出来ませんでした。

ですが戦闘後、ホークはあっさり復活します。ドルイドの魔力が通じなかった状態で、彼はどうやって復活したのでしょう。

作中では結局この謎に関しての解答が明言される事はありませんでした。

しかしホークが煉獄の生物であるという事が、そのまま答えになりそうな気がします。

煉獄の生物は異常なまでの生命力の高さを誇っています。1000万年以上もの期間老いる事無く生き続けたホークの兄ワイルドは、魔人王と渡り合うだけの戦闘力を自身から引き出すために、生命力を費やして戦闘に身を投じています。にも拘らず41巻においてホークが煉獄を訪れた際にはそんな事実など無かったかのように生きており、本人は弱っているかのような事を言っていましたが、それでもまだ100万年ほど生きるつもりのようでした。

実の兄がそれほどまでの生命力を持っているとしたら、一回生き返るくらいの事は造作もないような気がします。

・謎その4、ホークママとの関係

41巻において、ホークママの正体が明らかになりました。

その正体は混沌の力を封印した意思を持たない器という事でした。

仮にも旅の苦楽を共にした仲間の一人であるホークママがそのような扱いである事については大いにツッコミを入れたいところではありますが、そこはこの話の本筋ではないので今回は触れません。

問題なのはその器が何故ホークとよく似た豚の姿をしているのかという事に尽きます。

混沌の力の器が初めから生物の姿をしていたとは思えません。明らかにホークの意思が介入して豚の姿を模していたと考える方がはるかに自然でしょう。

これはあくまで想像ですが、生まれた時から家族と引き離されて育ったホークが無意識に家族を求めた結果、偶然ホークと出会った混沌がその願いに呼応して「ホークの母親」を演じるようになったのではないでしょうか。

その場合に疑問は二つ。

一つはそういう出自のホークママを、ホークはいかにして自らの母親だと思い込むに至ったのか。

これは単純に、ホークが物心つく前の段階で混沌がホークママになったからという事で理由付けが可能です。

ですがもう一つの疑問として、何故混沌がホークの願いを聞き入れたかという問題が浮上します。

偶然、というのはまずありえないでしょう。混沌はホークと出会うよりもはるか昔から存在したはずで、たまたまという次元の偶然ではないはずです。

察するにホークには、単に煉獄の生物であるという以外の謎がまだあるはずなのです。

気になります。非常に気になります。

ホークママというキャラクターが好きだっただけに、ホークとの出会いに関してはすごく期待しています。続編の単行本化やその辺りのエピソード補完があるのなら、是非とも読みたいところです。

総評

バトル漫画における戦闘を行わない味方キャラというのは空気になりがちですが、ホークは最初から最後まで影が濃く、それでいてくどくない良いキャラクターです。近年まれに見る良マスコット枠です。

これを期に、あなたもホークを好きになりましょう。

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