見出し画像

感想「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 喪183(後編)」

本日はわたモテの更新日です。

何を置いても、まずは語らせてください。

・前回の感想

感想記事をリンクします。

以下、最新話のネタバレ注意!

モテないし台風が来る(後編)

前後編というのは、未だに慣れませんね。ニコ先生のTwitterによると、今回の前後編は長くなったから分割したという事でした。要するに、大長編みたいな気分で読めばいいという事ですね。

さて、内容について語って行きます。

・買い出し

前回の続きですね。雨が降りしきる中、コンビニでお菓子を買う二人。もこっちはお菓子が大好きですね。買い物をしているときのもこっちはいつもどこか楽しそうで、こちらも頬が綻びそうです。

お母さんにもらった1000円でうっきうきのもこっち、微笑ましいですね。何気にゆりに対してレベルの高い要求をしているのは置いておくとして。

ゆりは斜め上ですね。友達の家に泊まるのに弁当を買おうとするセンスは、さしものもこっちも読めないムーブです。もこっちとて他人の家に泊まった経験はほとんど無いでしょうし、感性は似たり寄ったりだと思うのですが……

なんとなくここに、ゆりともこっちの違いが見えてきます。もこっちはモテを意識し過ぎた事と中二病の延長で孤立した後天的ぼっちですが、ゆりは基本的に孤立しやすい先天的ぼっちな性格なんだと思います。まあ今は二人ともぼっちではないわけですし、どうでもいい事かもしれませんが。

妙な遠慮を見せるゆりにもこっち、「まぁ正直人の家族と飯食うの嫌ってのはわかるけどそこは我慢してよ」と。気の抜けた表情のもこっち、ここは偽らざる本音ですね。友人の親と食卓を囲むのって、なんか妙な緊張がありますもんね。そういうの嫌がるのってもこっちらしいですし、それを堂々と口にするのもまたもこっちらしい。こういう、心を許した相手に叩く軽口、ちょっとだけ好きです。

・帰宅

コンビニから帰ってきて、それぞれお風呂に入る二人。やっぱ濡れたんですね。前回の扉絵は、まさにこのタイミングの出来事だったわけですね。

しかし扉絵を抜きにしても、濡れたサンダルとシャワーノズルの描写だけでしっかり出来事を描写出来ている辺り、ニコ先生の漫画力と表現力の高さが窺えます。こういう無言のコマを使って情緒を表現する……いわゆる「あだち画法」ってわりとよく見かけますが、やってみるとすごく難しいんですよね。さすがプロです。

・ダサい服


もこっちの部屋着を着たゆりの感想……さらっと酷いですね。ゆりは基本的に、自発的に他人を煽るような言動を好まないので……天然の暴言ですかね。いや、確かにダサいとは思いますよ。もこっちの部屋着は正直言ってわりとダサいです。

でもゆりも大概ですよ。

修学旅行の時、クッソダセェロゴのジャージ着てたのって、誰でしたっけ?

いや、まあ彼女が自分を棚に上げて物を語るのは今に始まった事ではありませんけれど。

っていうか、よくもこっちの服着られましたね。

もこっちとゆりって、10センチ以上身長が違うんですよね。逆ならともかく、小さい方の服をよく着られたものです。その辺はあまり気にすべき部分じゃないんですかね?

・湯舟の毛

思い出したように下ネタぶっこんできましたね。

先週の「海浜秀学院のシロイハル」が休載だったからですか? なんかとりあえず下ネタ挿入しとくかみたいな雑さを感じる展開なのですが……

物足りないと思ったら、ゆりからの鉄拳制裁が無いんですね。いや、別にいらないですけれど。この二人の回は、物静かなくらいがちょうどいいです。

・文化祭の話

勉強の中でアニメを観ながら、文化祭の話をはじめるもこっち。

なんだか達観したような事を言うもこっちが妙に印象的です。ネモと文化祭の出し物についての話をした時もそうですが、最近のもこっちはなんだかちょっと疲れてませんか? 肉体的にではなく、精神的に。勉強のしすぎて煮詰まっているのではないでしょうか。無気力というか意欲が感じられないというか、達観が行き過ぎて諦観しているように見えて、ちょっと悲しいです。

でもそれはそれとして、想像の文化祭シーンは笑いました。

しんみりした事言ってるのに、絵面で笑わせてくるのはずるいですよねえ。

豚の餌……いや三家さんは焼きそば作っちゃ駄目でしょ。風下で誰かが焼きそばの蒸気に充てられて苦しんでいるのが妙に笑えます。さりげなくかっくんが風上にスライドしているのが笑えます。何よりそんな絵面を見て呆れているもこっち……あんたのイメージでしょうが!

三家さん……もこっちが完全にぼっちの段階から笑顔を絶やさず名前を呼んでくれて、親切にしてくれたキャラでした。その暖かさは、あるいはネモと同じくらいの扱いのキャラに昇華されていてもおかしくないほどの存在感だったのですが……同回で豚の餌さんにされてしまったのが全ての運の尽き。

彼氏持ちの女子かつ、彼氏が作中で明確に登場しているという、この系統の登場人物にしては珍しい個性の持ち主ですが……そんな個性が全部霞んでしまうほどのメシマズ設定……いいですね。それでこそわたモテキャラです。笑えないほどの欠点を抱えた人物ばかりが集う物語なのですから、それでいいのです。

あ、でも今江先輩は欠点無しの完璧キャラであってほしいです。


……願望ですけれどね。

・晩御飯

さてゆり、黒木家で食事を貰うのですが……

この人誰です?


田村ゆりって人は、友達のお母さんとこんな顔して話するんでしたっけ? あははとか言って笑うんでしたっけ? キャラ違いません?

あ、でも初登場時……修学旅行の時はこんな風でしたね。もこっちも吉田さんも社交的じゃないから、仕方が無く社交的な役回りをやってたあの時の感じ。やればできるじゃないですか。

いや、逆にこうやって社交性をオンオフ切り替えられてる器用さはむしろゆりっぽくない気もします。

そう考えると、まだまだゆりのパーソナリティーは謎がありますね。今回突然タイムスリップしたかのようなキャラクターを演じたゆり。これは近々、何かしら種明かしというか、ゆりの内面に関するイベントが待っていそうですね。

しかしこの食卓、智くん静かですね。もこっちよりだいぶ社交的なはずの智くんですが、もこっち母曰くいつもの事みたいですね。似た者同士の姉弟……いいですね。

・夜

晩御飯の後も、またアニメを観ながらずっと勉強。思いついたら何か話をして、停電になったらそのまま寝て、起きたら朝になるまでアニメを観て……

何でしょうね、このフリーダムさは。

やってる事が勉強じゃなかったら、ニート顔負けの怠惰っぷりですよ。まるで絵にかいたような大学生みたいな二人ですが、しかしこれが二人の間の空気感なんでしょうね。

どこかマイペースで退廃的で、閉じた雰囲気。この二人の間だけの、独特な空気感。フリーダムさはそのまま二人だけの世界観を形成していて、なんだかすごく楽しそうだと思いました。

一応その空気感の中で起こった会話の内容に触れておきますが……

どうやら夏休みはあと二日のようです。ここまでくると、もはや普通の土日です。長い長い夏休みの終わりというのは、さすがに憂鬱でしょうね。

でもメタ的な見方として、あと二日残っているというのは実に作為的です。一日はゆりが昼間で残り、そのまま帰るとして……あと一日。

何かある気がします。あってしかるべきでしょう。

夏の終わりとして、もこっちソロでの切ない系の話になるのか。

あるいは例のあの人が満を持して登場するのか。

まあ何も無い可能性だってありますけれどね。

・台風の終わり

台風が終わっても、二人は何も変わりません。その普遍さに、ゆりが少し楽しそうに笑っているように見えました。

背景の効果音が妙に現実的で、何となくいい感じのラストでした。

……と思いきや。

あの効果音、ニコ先生ご自身が全く意味分からんとか言って無かった事になりそうです。

……さすがはニコ先生。いち読者であるわたしなんぞ、盤外でまで踊らされてしまいましたとさ。

・総評

妙にわたモテらしからぬ雰囲気の回でしたが、総じて面白かったと思います。たまにはこういうのも良いですね。

喪183(後編)の満足度:88/100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?