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1月14日は愛と希望と勇気の日
1959年のこの日、前年に南極大陸で置き去りにされた犬の「タロ」と「ジロ」の生存が確認されたそうです。
映画「南極物語」の元ネタになったお話ですね。であるからして、割と有名なお話だそうです。
極寒の地に置き去りにされた犬と、その犬の身を想う人の愛。
犬と人間との再会によって生まれた希望。
勇気は……ちょっと分かりませんが。
映画にもなったくらいですし、美談に分類されるお話なのでしょう。
でもどうしてもマッチポンプ感が否めないのはわたしだけではないでしょう。だってこの犬達、人間によって南極に連れてこられたわけですからね。もちろん彼らの間には信頼関係があるのでしょうし、一概にそうだとは言えませんが……そこに人間のエゴを多少なりとも見出してしまうのは、それほど穿った見方だとも言えないでしょう。
とはいえ、南極に置き去りにされた犬が逞しく生き残ったというのは間違いなく事実ですし、記念日として喜ばしい事でしょう。タロとジロを見習って、我々も愛と希望と勇気を持って生きましょう。
さて、南極物語に近い感じのお話があります。
藤子不二雄先生のSF短編に「裏町裏通り名画館」というお話があります。一体どこがSFなのかと大いに突っ込みたくなるギャグ短編です。
当時大ヒットした映画「南極物語」「スターウォーズ」を見に来た青年が、パチモンの映画「北極物語」「ヌターウォーズ」を見せられる……というだけのお話です。本筋だけを見るとわけわかんないだけのお話ですが、作中で映画として見られる物語は結構興味深い内容だったりします。
「北極物語」では、南極に残された犬「タロ」と「ジロ」を、現地の生き物であるアザラシの目線で見ています。彼らは人間から見れば取り残されたかわいそうな動物ですが、アザラシから見れば突然現れた獰猛な肉食獣です。何事も視点を変えると、そこで受ける印象も変わって来るというのがよく分かります。
「裏町裏通り名画館」に限らず、藤子不二雄先生のSF短編は面白いお話ばかりなので、ぜひともご購読ください。
そういうわけで、明日は愛と希望と勇気の日。逞しく生きましょう。