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感想「上野さんは不器用 8巻」

7月29日に「上野さんは不器用」最新刊が出ました。

情報の入手が遅れたので手に取るのが遅くなってしまいましたが、早速語って行きたいと思います。

・漫画紹介

以前の紹介記事をリンクします。

以下、最新刊のネタバレ注意!

・体育館裏にて

この回、なんと上野さんも田中も登場しません。モブ男子と東川先輩だけしか出てきません。

……モブ男子?

この漫画、モブ男子が登場するのは初めてではありませんか!

というかそもそも、田中以外の男子が登場するのが初めてではないでしょうか。なんだか新鮮です。

さてこの漫画、登場する女子全てが何らかの方向性における変態であるため、この学校の女子全員が変態という感覚だったのですが、今回のモブ男子を見ている限り、女子のみならず男子もそこそこ変態だという事が明らかになりました。

特異点は田中だけという事ですね。田中も隠れ変態であってほしいとは思いますが。

・アケラコーン

西原さんゲスト回です。テンション高い脳筋役は科学部にはいないので、いろいろと新鮮ですね。

さてこの回、変態回です。

……いつも変態回ですが。

ラストの酷い絵面が大好きです。

「人の乳揉みながら言い訳してる男の話を信じてくれてありがとう!!」

こんなセリフ、他の漫画じゃ絶対見かけませんねえ。

・インナーライナー

発明品の名前のセンスがいつも良くて、うっとりします。

でもこの回はそれどころではないです。まごう事なく変態回です。

みずなちゃん、ノーパンだったの!?

ややブラコンな甘えん坊のよもぎちゃんに比べてまともな方の妹かと思ったら……群を抜いて変態です。中学生にて常時ノーパンというのは、「みつどもえ」のおがちんよりもレベルの高い変態です。本人にその気が無くとも、疑いようのないほどの変態である事に間違いはありません。懲役405年に勝るほどのパンツへの抵抗感……尋常じゃなくて好きです。

そして北長さんもノーパン……

いや、この人はそうでしょうね。

みずなちゃんと違って涼しい顔してノーパンとは……この人こそ完璧な変態です。前後の表情が可愛いのとは裏腹に、エグくて好きです。

というか今回の壮大なノリそのものが好きです。個人的神回でした。

・カギュー10B

書道部の添木さんが登場しました。この控えめかつマイペースな感じの先輩キャラは6巻の部長会議にて初登場以来、二度目の登場という事です。ようやくメインの話が回ってきたと思いきや……

とんでもない変態でした。これは変態回です。

あの上野さんをして「この学校で一番いかがわしい」と言わせるほどの変態性……田中が耳栓をしている際に一体何を言ったのでしょう。

こんな人が二年年下の小柄野球少年と付き合っていかがわしい事をしているだなんて、犯罪ではありませんか。えげつないキャラ付け、大好きです。

・ダースーヌム

ラブコメ回です。滅茶苦茶良かったので重点的に語ります。

・お花見

田中のボケに一ページかけて乗っかる上野さん、ノリが良くて好きです。お弁当はどこから出したのか……

今回に限らず、導入の部分はいつも凝っていて面白いです。ツッコミに回った上野さんのセリフ回しが秀逸で、口に出したい日本語が随時増えていって気持ちが良いです。

・夢を観る機械

毎回出てくる発明品のガバガバ説明、好きです。今回は割とシンプルですが。毎度難しい事言ってそうで滅茶苦茶ガバガバで、しかも図解してあるから分かりやすいんですよね。こういう、漫画独特の表現方法を十全に活用している漫画は非常に読みやすいです。ギャグ漫画として読みやすさは重要なので、ここが「上野さんは不器用」の大きな魅力の一つと言えましょう。

さて夢を観る機械。作中ではこれはそのまま願望を観るのと同義のようですが……そこに躊躇が無いあたり、田中も変なところで大胆ですよね。耳掃除をされるのを嫌ったりと繊細な部分が多い田中ですが、基本的には考え無しなところが面白いです。

・田中の夢

ここ、すごく重要な部分だと思います。作中において、田中の願望が具体的なかたちで見えるようになっている唯一のシーン。それを見る限り、田中はどうやら田中なりに、発明というものへの情熱を持っているようです。だからこそ科学部にいるのでしょう。ですが山下さんみたく「面白そうだから」という風な物見遊山的な考えではなく、きちんと上野さんのように発明する側になりたいという願望を持っていたというのはすごく意外です。その具現化が両端出しのシャーペンというのは幼くて面白いですが。

してみると田中にとっての上野さんは、憧れの対象に近いのかもしれません。憧れが恋愛感情になるのは、そう難しくないはずです。上野さん、意外とワンチャンあるのかも……

さて、田中の夢には上野さんが登場します。

田中の願望が、発明への願望のみなら必要の無いキャスティングです。田中としては「上野さんに認めて欲しい」という感情が少なからずあるのかもしれませんね。と、思うと非常に新鮮です。

そして自分がキャスティングされているのを見て、その後2ページにわたって反応する上野さんが滅茶苦茶可愛いです。舞い上がっているのが分かって微笑ましいです。

さて上野さん、ダメ押しに田中の夢に入り込もうとします。

ちょっとここ分かり辛かったのですが、多分上野さんは田中に使った装置を同じような使い方をした事で完全に眠ってしまったため、半覚醒状態で発動する-側への介入が出来なかったという事でしょうか。ともあれ上野さんの願望も見えてしまうという状態。

・上野さんの夢

上野さんの夢……つまり願望は、田中からのあすなろ抱き。

……

…………

……………………

かわいいかよ!

上野さん、変態のくせに田中への願望が初心で可愛いです。抱きつかれて落ち着くと言われるのが願望というのは、乙女心ですね、これは……

こんな純朴な感じじゃ、下ネタとして成立しませんよ!

最近流行りの一対一型のラブコメ漫画ですか、これは!

最高じゃないですか!

こういうラブコメ回が突如ぶっこまれるから、この漫画は大好きです。

・その他

他の回で特に目立っていたのは、南峰さんでしょう。

後半の二話連続での舞い上がり。

田中の視線を感じてすぐに動きを止める過剰なまでの自衛精神、厄介な一方で可愛いです。

総評

変態回が多い中、ぶっこまれたラブコメ回が美味しかった8巻でした。

8巻の満足度:94/100

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