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感想「中間管理録トネガワ 最終巻」

今月中頃に「中間管理録トネガワ」の最終巻が発売されました。

累計300万部突破の大型スピンオフも、ついに連載終了というわけです。連載開始時には大きな話題になり、スピンオフブームの火付けにもなったこの漫画の終了というのは、なんだか一つの時代の終了を感じさせます。

さっそく感想を語って行きます。

・漫画紹介

過去記事をリンクします。

・賭博黙示録カイジ

・中間管理録トネガワ

以下、最終巻のネタバレ注意!

一話完結型のギャグなので、気になった回だけ抽出していきます。

・思出

利根川……記憶喪失……!

こういう展開はギャグならではですよね。よりによって黒服の名前が滅茶苦茶になっているのが都合が良くて笑えます。

思い出す鍵は、昔の思い出。これまでのエピソードを振り返るようにして名乗りを上げる黒服達の姿は、利根川との日々の重厚さが明るみになったようで素敵です。

笑いどころは海老谷一択だと思います。こいつのエピソード、濃過ぎでしょう。滅茶苦茶不快なキャラなのにコミカルで、いつも笑わせてもらいました。

・王王

まさやん回です。

初っ端から会長の罵倒のネタの広さに笑います。

ゴミ……!

クズ……!

塵……!

芥……!

PM2.5……!

こういうところ、萩原先生のワードチョイスが光っていて好きです。

で、まさやん。何故かペットみたいな扱いになっていた彼ですが、ここでまさかの造反。見た目も中身もそっくりになった影武者が成り代わろうとするというのは、割とホラーですよね。ラストの展開も相まって、ちょっと怖くて面白い回でした。

ちなみに単行本書下ろしにて、まさやんに関しての補完がされていました。

ペットのような人格だったまさやんは暗示か何かによるものだったようで、暗示を解いたら元の飲食店店長だった「本田正安」に戻ったようです。ちょっとキャラクター的に不安なところがあったので、安心しました。連載終了に伴ってこういう細かいキャラクターの配慮を行っていくというのは、読者としてもありがたい限りです。

・手相

めっっちゃ笑いました。

「カイジ」本編を読んでいないと後半のギャグが分からないのですが、利根川の末路を完全に暗示していて笑います。T-AIくん、有能。

利根川の末路を知っているだけに、笑いもどこか乾いたものになって、余計に面白い回でした。

・途中

最終話です。

敢えて利根川の末路は言葉として語られず、言外に利根川の身に何かあった事だけが暗示され、チーム解散後の各々の未来が語られています。

視点はやはり、特に存在感のあった山崎。黒服を卒業して幹部候補となり、他の面々を振り返ります。

面白いのが、メンバーの多くが帝愛を退職している点。そして海老谷がチーム解散後に人が変わったようになったという点。

利根川の末路に思うところがあったのでしょう。もしかすると、焼き土下座の場に居合わせた人物もいたのではないでしょうか。もしもそれが海老谷だったならと思うと……面白いと思います。

元々帝愛No2だった利根川は非常に面倒見が良いタイプの上司であったがゆえに、後釜に据えられた山崎達の上司とのギャップに嫌になった人物もいるのではないでしょうか。

いろいろと想像が膨らみますが……名言はされませんでした。ギャグ系スピンオフの最終話としては、それ以上語ってしまうと世界観を壊してしまう恐れがあるでしょうし、それで良いのでしょう。どうしても利根川の悲惨な末路が前提にある以上避けられない悲劇を極力ぼかして描いた、良い最終回と思いました。

総評

最終巻は全体的にまとめというか、畳むための回が多かった印象でした。

それでも十分にギャグ漫画として面白かったので、満足です。

最終巻の満足度:90/100

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