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感想「いとやんごとなき 3巻」

先月18日、「いとやんごとなき」最新刊が発売されました。

少しだけ語ります。

・漫画紹介

紹介記事をリンクします。

・前巻の感想

感想記事をリンクします。

以下、最新刊のネタバレ注意!

・夏の一日

間の取り方に「あだち充」味を感じます。さすがサンデー作家。

五つ星メンバー、仲が良いのか悪いのか……とりあえずお互いがお互いの話を聞いていないのがよく分かります。

登場回数が少ないあすかの両親も登場です。この二人、すごく優しそう。お母さんはほどよく家庭的で、お父さんもお金持ちの気品を漂わせながら行動が優しさで満ちています。一応あすかと父親は血縁上の繋がりが無いようですが、そういう溝を感じないような幸せな家庭の描写がすごく綺麗だと思いました。

癒し回ですね。街に溢れたゴリラは見ないものとして。

・夏祭り

個性の強さが天元突破しているような五つ星メンバーに振り回されてばかりのあすかですが、ここに来て彼女自身もかなり個性を見せてきましたね。頭が良いのは前から描写されていましたが……意外とハイスペックです。

それはそうとこの回は、そんな五つ星メンバーを客観的に観た場合のお話でした。

麻呂にしろローズちゃんにしろ、学園内外問わず受け入れられ方がえげつないです。学園には庶民と感覚の異なる天上人しかいないから、一人冷めた目を向けるあすかが浮いているように見えるだけかと思いきや……普通に一般人にも崇め奉られてますね。

異常なのは学園ではなく世界観の方だったようです。ある意味叙述トリックですね、これ。

お金持ちから程遠そうなチャラ男達まで股間の光をありがたがるのは笑えます。ノリの良いチャラ男、好き。

ぶん投げオチ、もっと好き。

・お料理

あすか、庶民的というより意地汚い……というか欲望に素直でいいキャラしていますね。リアクションの薄い漆間くんに代わってしっかり絵を作る……さすがは主人公、いい仕事してます。可愛い。

そして台無しなオチと顔芸……いっそ好き。

・始業式

……

なんだこの生徒会長!?

出る度にインパクトが強すぎて、もうわけ分かんないです。シュール。

・バスケットボール

滅茶苦茶シュールな絵面、大好物です。

3ページに渡る気合の入った無駄なバスケ描写、超面白いです。オチそのものは天丼に次ぐ天丼ですが、他の部分が抜きんでて面白い回でした。

・ジョセフィーヌ

……

なんだこの回!?

戦慄せざるを得ない狂気のシュールオチは必見です。

どうでもいいけど御井くんは度々脱走してるから、あまり囚われの身という感じはしませんよねえ……?

いや、そんな事本当にどうでもよくなるレベルのオチでしたが。

こういう回、好き。

・ジム

……

なんだこの回!?(二回目)

扉絵のあすかが無駄に勇ましくて笑います。

本編はもっと濃い展開でさらに笑います。

あすかがツッコミを放棄したせいで、今回もシュールオチですね。

・開幕

オシャレな視聴覚室、憧れます。お金持ちの学校である事をしっかり描写として活用していくスタイル、好きです。

それはそうと、この回から文化祭のようです。これまで五つ星メンバー以外のキャラクターはほとんど登場しなかった分、世界が広がった気がします。

さて新キャラ……冷泉先輩はどうやら三年生のようです。

五つ星メンバーの特別扱いが甚だしいのでこれまで学年という概念を完全に失念していましたが……そういえばローズちゃんはあすかと同じクラスで一年花組、麻呂も同学年でしたね。漆間閣下はともかくとして、御井くんは麻呂と生まれ年が同じなのでやはり一年生……

つまり五つ星は学園内では全員若年層に分類されるわけです。年功序列が完全に無視された状況での先輩キャラというのは……なんというか新鮮ですね。

さて冷泉先輩、まさかの常識人キャラ。

ここに来てあすかだけが持っていた常識を持つキャラの投入とは、思い切った展開です。刀が使える男装女子という、シュールギャグに似合わない王道なキャラ付けが、果たして物語をどう動かすか……

・〇〇泥棒

……

まあ、毎回下ネタやってるようなものですし。

「自分の下半身に嘘をついたのも初めてだ…」

これは名言ですね、間違いない……

さて、どうやら文化祭の話はまだまだ続くようです。次回予告だけでヤバそうなのがひしひしと伝わってきて、期待大です。

総評

全編通してシュールでした。笑いどころが多いわけではないのですが、破壊力が大きいタイプのギャグ漫画です。これは4巻も買いです。

3巻の満足度:95/100

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