漫画紹介「トニカクカワイイ」
ジャンル:ラブコメ・ギャグ、既刊12巻
「トニカクカワイイ」は週刊少年サンデー連載のラブコメ漫画で、作者は「ハヤテのごとく!」の畑健二郎先生です。
……なんか前にも紹介したような気がしないでもないですが、どうやらしていないようなので、紹介したいと思います。
・あらすじ
高校受験を控えたある大雪の日、車に轢かれそうになった主人公、由崎ナサは幻想的な雪明りの下で、かぐや姫を彷彿とさせる少女に助けられ、一目惚れする。勢いのままに告白したナサに帰ってきた返事は「結婚してくれるなら付き合う」というもの。性急すぎるその申し出を二つ返事で受け入れたナサはそのまま気を失い、名前も聞かないままに少女と別れてしまう。
それから月日が経っておよそ2年。18歳になったナサはあの時の少女、月読司と再会する。あの日の約束を果たしに来たという彼女を受け入れ、ナサは司とともに結婚生活を始めるが……
・魅力その1、結婚がスタート
大概のラブコメ漫画は、スタートがある程度距離のある状態からで、ゴールが恋愛成就だと思います。
しかるにこの漫画はスタート時点で既に主人公とヒロインが結婚しています。完全にゼロ距離からの物語という事です。
恋愛の駆け引きも何もあったものではありません。既にゴールしている二人のラブコメなのですから。
当然対抗馬なんぞ出てきません。そんなもん出てきたら普通に浮気ですからね。そういう漫画ではありませんよ、これは。
ではどういう漫画なのかというと、つまりはゴール後を楽しむ漫画です。
付き合う前しか楽しめない段階があるのと同様に、夫婦でなければ楽しめない段階というのもまたあるわけです。
有り体に言ってしまえばいちゃらぶですね。
結婚しているので、普通の恋愛漫画よりも簡単に、直接的な愛情表現が登場します。毎話キスやスキンシップなんて当たり前、桜Trickもビックリの濃厚さに悶絶必至の一冊です。
・魅力その2、いい感じのサブカル要素
畑先生の前作「ハヤテのごとく!」でもそうでしたが、サブカル要素が多く登場します。
映画やゲーム等の割とコアな小ネタが出てきたり、師匠譲りの時事ネタが豊富だったりと、芸が多彩です。小ネタが多彩という事は、そのまま物語展開も多彩という事で、飽きない話が続きます。
ラブコメの「コメディー要素」が非常に面白い……つまりはギャグ漫画の側面も持ち合わせているという事です。
さすがはベテラン作家、安定感も一味違います。ギャグの部分は詳しく語りませんが、ローペースでシュールさは少なく、セリフ回しと展開で笑わせてくるタイプの、やや緩めのものです。「ハヤテ」が好きならまずハマります。ラブもコメディーも同時に楽しみましょう。
・魅力その3、キャラがかわいい
これに尽きますね。
さすがは「ハヤテ」の作者。登場キャラのかわいさについては、群を抜いて輝いています。
ここで言うかわいさは、単にヒロインや他の女の子だけに留まらないのが良いところです。男性陣……殊更主人公のナサくんもかわいいのです。
かわいい×かわいいは最高。これは真理だと思います。
それでなくともデフォルメがよく効いていて読みやすい絵柄なので、軽い気持ちで読み始められる漫画だと思います。変な癖もありませんし。
総評
最近流行りの1対1系のラブコメと同系統でありながらある意味全く異なるベクトルを走り抜けているこの漫画、非常に面白いです。今度アニメ化もするらしいですし、話題性にも事欠かないと思います。
ラブコメ好き必見です。
私的好感度:91/100、オススメ度:90/100