漫画紹介「微熱空間」
ジャンル:ラブコメ
出版 :白泉社(楽園)
既刊 :4巻
「微熱空間」は白泉社出版の季刊誌「楽園」で2016年から連載されているラブコメ漫画で、作者は「ひだまりスケッチ」の蒼樹うめ先生です。
最近読み始めてクッソ好きになったので紹介します。
・あらすじ
父親の再婚によって新たな家庭の一員になる女子高生、中ノ瀬亜麻音。
父親の話だと、再婚相手にも子どもがおり、亜麻音は姉になるらしい。
"可愛い弟"に期待を膨らませる亜麻音だが……いざ出会ったのは同い年の男子高校生。
思春期に突然出来た血の繋がらない男女二人が距離感を間違えながら育む愛情物語。
・魅力その1、繊細な心情描写
同い年の男女二人が一つ屋根の下で……という設定自体はよくあるものですが、この漫画では二人が"姉弟"である事をとりわけ強く描写し、家族愛の尊さが語られます。元々長らく片親の家庭で育った二人……特に姉の亜麻音は家族としての愛情に少なからず飢えており、お互いがお互いを恋愛対象とは別の存在として意識し、心の隙間を埋めていきます。その上で段々とお互いを異性として認識しながら徐々に惹かれていき、距離感を測りあぐねて煩悶するから丁寧で読み応えがあります。
・魅力その2、可愛いキャラクター造形
登場人物が全員非常に可愛いです。
作者の蒼樹うめ先生はきららブームの先駆けにして4回のアニメ化実績を誇るレジェンド漫画「ひだまりスケッチ」やアニメ・映画ともに時代を代表するブームとなった「魔法少女まどかマギカ」のキャラクターデザイン、きらら作家総出の超豪華アプリ「きららファンタジア」で主人公のきららのデザイン担当など、様々な媒体で活躍されています。
それら共通の特徴として、キャラクターが可愛い事が挙げられます。当然この漫画の登場人物も、ただの一人の例外も無く可愛いです。
主人公の亜麻音はもちろん、弟や親友、果ては両親まで可愛いです。その可愛さたるや、きらら系に匹敵します。作者がきらら作家なので当たり前なのですが。
当然、そんな可愛いキャラが繰り広げるラブコメは味わいが違います。
控えめに言って最高です。
・魅力その3、背徳感溢れる描写
この漫画はいわゆる「姉弟モノ」です。
ラブコメでヒロインが近親者というのは邪道……とまではいかないまでも、かなり特殊ですよね。
もっと言うと、ちょっとインモラルですよね。
だからこそ良いのです。恋愛は障害が多いほど面白くなるものなので。
とはいえ、悲恋である事が確定しているわけでもないのがミソです。作中でも言及されていますが、この二人は法律上結婚すらも許される関係にあります。
しかしだからといって当事者含む誰もがその恋を正しいものではないという認識を持っており、だからこそ背徳感があるのです。
総評
奥深くて、キャラが可愛くて、恋愛とは別の方面でのドキドキも兼ね備えた、ある意味ラブコメの究極形の一つだと言えましょう。
雑誌そのものが季刊かつマイナー誌であるためあまり有名ではありませんが、だからこそ読んでみて欲しい逸品です。
個人的にここ数年で一、二を争うレベルの恋愛モノだと思います。特に最新4巻は読んでいて思わず声が漏れました。
オススメです。
私的好感度:100/100、オススメ度:100/100