合うまですり合わせる
何年も前の話になりますが
菅田将暉さんのオールナイトニッポンというラジオ番組に
星野源さんがゲストで登場した回がありました。
菅田将暉さんから星野源さんへの質問の一つに
「ドラマや映画のテーマソングを作るときには、ドラマから求められるイメージや言葉、伝える方法など、当然あると思います。その求められるイメージと、自分の作りたい歌との間にギャップがあると感じる時、星野さんはどのように考えてそのギャップを埋めていますか?」
というような内容のものがありました。
当時、菅田将暉さんは
映画ドラえもんの主題歌を歌っていて
ライブで、その歌を歌う時に
ドラえもんのイメージも大切にしなくてはならない
だけど自分の色も出したい。
表現する際の心の在り方について、星野源さんからヒントを得たい様子でした。
星野源さんの答えは
「求められているイメージと、自分の表現したいものとの間にギャップが生まれる時は当然あります。その時には、合うところまですり合わせていく作業をします」ということでした。
時間がかかっても、難しくても、その作業は『合うまで続ける』と
穏やかな口調で話していらっしゃいました。
人との関わりも同じだなぁ…
と、わたしは思いました。
なにかのご縁で同じ場所に集い
ひとつの目的に向かって複数の人間が動こうとするとき
たとえそれが二人でも三人でも
「まったく同じイメージだね!これで行こうね!」
なんてことはあり得ません。
なにかは違うし
違っているからグループで活動する楽しみも喜びも生まれます。
「もめそうだから我慢」
「ここは大人になろう」
ということを繰り返してしまうと
相手にも伝わってしまって
ギクシャクしてしまうケースもあると思います。
自分のやりたいことと
相手のやりたいことを「すり合わせる」
すり合わせる作業がスムーズにいかない時には
『合うまですり合わせる』
星野源さんの優しい口調から
ラジオなのに、話している時の表情まで感じられて
忘れがたい言葉になりました。
丁寧にすり合わせの作業をする過程でも学ぶことは多いと思うので
結果はどうあれ、わたしはその姿勢で取り組みたいなぁ…
と、考えています。
もちろん、あまりにもギャップがある場合には
距離を置く方がベストという選択肢も。
時間には限りがありますので
なんでもトライするのではなく
相手や案件を選ぶ賢さも育てていきたいところではあります。