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肩書のいらないひと

カフェの扉が開いて
そのひとが入ってくると
わたしが待っていた人だとすぐにわかりました。

帽子作家の南木とも子さん。

数年前の出来事ですが
今でもハッキリと思い出すことのできるワンシーンです。

その日、カフェの厨房に入っていたわたしの友人のママ友で
素敵な帽子を製作する南木さん。
紹介していただけるということで
その日はカフェでお待ちしていました。

あの人かしら?
この人かしら?

などと考える必要もないほど
明らかに「このかたが帽子作家さんだ!」
とすぐに分かる風貌でした。

ワンピースに自作の帽子を被り
ロングヘアーをなびかせたお姿は
現在も変わることなく
名刺など必要もない、圧倒的なオーラをお持ちです。


別の日
同じ店で友人と食事をしていると
カフェの扉を開いて背の高い60代くらいの男性が入ってきました。
ニットにデニムにハット。
明らかにスペシャリストのかたに違いない。
わたしと目が合うと、目をそらすことなく
けれども話しかけてくることはなく
ただ、ニコニコっと笑いました。

これは、ただモノではない!
舞台俳優なのか、作家なのか、音楽家なのか、それとも…

後で紹介されたのですが、有名なカメラマンのかたでした。


時折、名刺の要らないかたに出逢います。

そのひとを見ただけで
有名無名に関わらず
「素晴らしい才能をお持ちで、その世界でキラキラと輝いているひと」
とすぐにわかる。


専門のお仕事に就いていないかたでも
「生き方のプロ」みたいなかたもいらっしゃいます。

何がその人のオーラを厚くさせているのでしょうか?

それはきっと『覚悟』なのかもしれません。
腹をくくる。
何かを決める。自分の意志で。

好きな事に邁進しているかたのオーラも強いそうです。



この歳になっても
未だ何者でもないわたしにとっては
憧れの人たちです。

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