山の上ホテル最後の宿泊で感じていること3つ
今日は、山の上ホテルという、私が大好きなホテルがあと3日で閉館というタイミングで最後の宿泊中に感じていることを書きます。
山の上ホテルは、文豪と言われる人たちが缶詰になって執筆をするために訪れたことで有名な老舗ホテル。
最近お亡くなりになった伊集院静さんもここを定宿にされていた。
ホテルの方に聞いても、再オープンの目途はたっていないとのこと。昨今の材料費の高騰で、補修するにしてもとんでもないコストがかかり、この規模の小さいホテルはなかなか採算を考えて行うのは難しいのかもしれません。
今日、チェックインをしようと向かったところ、表には写真を撮る人がいっぱい、中も行列、レストランも言わずもがな。売店もすごいことになっている。チェックインをしてくださった係員さんもずっとこんな感じなんです・・・と仰っていて、最後にパーラーでプリンを食べたいなって思っていたけれど早々に諦めて、若者に紛れてピザで夕食。ホテルを出るときも入るときも誰かしら写真を撮っていて落ち着かない。
ほとんど観光地。
前置きはこのくらいにして今感じていることを3つ
1.人の性(さが)
私は結構気に入ってよく泊まっていたのだけれど、閉館が決まってから、人がたくさん押し寄せて、違うホテルのようになった。思い出に浸りたいとか、みんなが行くから自分も、とかわからないわけではないのだけれど、それなら、普段からもっと利用して泊まっていればよかったじゃん・・
人って当たり前にあると思えばありがたいと思わなくて、なくなるとわかって初めて大事だと思いだしたりするような生き物だと思う。
2.ホテルの宿泊客の立ち位置は???
閉館が決まってから、最後にパーラーでご飯を食べたいと思って、何度かフロントの係の人に聞いてみたけれど、いつも「ご予約のお客様が多いので・・」というお返事だった。私の中では、お泊りするお客さんがレストランで食事をしたいと言えば、どこかの隙間でご案内くださるものだと思っていた。悪くてルームサービスを勧めてくれるんじゃないかと。今日はもう期待せずに、「ご飯食べてきます!」と鍵を預けたけれど、「行ってらっしゃい!」って送り出されてちょっとモヤモヤしました。
自分がホテルのフロントにいたら、代わりのレストランを探すとか、次のご予定の時に食べられるようにご予約とりましょうか?とか言うんじゃないかなあ・・・
昨日泊まったホテルは、レストランの斡旋はしませんとフロントに大きく注意書きを貼ったりしていたから、中堅のホテルのお客さんの層のマナーの問題なのかもしれないのだけれど。
3.最近のホテルのお値段の上昇を見て
競争原理が働いているのを感じます。ビジネスホテルというカテゴリーのホテルだったとしても、3か月くらい前にいいホテルだなあ・・と思ってもう1回利用しようとしたらお値段が上がっているし、お値打ちな感じに見えたホテルに泊まってみると、やはり魅力はない、お値段が上がらないのが分かる感じ。山の上ホテルはすこ~しはお高くはなったのだけれど、閉館が決まってすぐに予約が取れなくなったから、実際どうだったのかはわかりません。
昔ご褒美にという言い訳で頑張れば泊まれたような5つ星ホテルは、もう、泊る気すら起こらないお値段になりました。そして、昔のアジアのリゾートブームでタイとかマレーシアのリゾートホテルのお客さんが現地の人が皆無だったことを思い出しました。もう、普通の日本人が泊まれない、外国人がお金を落としてくれるから成り立つお商売。当時、外国のリゾートに行って、日本は豊かだと信じて疑わなかったけれど、コロナが過ぎ去り、気付いてみたら日本だけが取り残され、各国から恵んで頂かなければならない状況です。
それにしても静かで落ち着くこの空気感。もったないなあ・・・
誰か上手に再建して下さらないものかしら?