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獣医師になればなにか変わると思ってた ~こげんたちゃん事件に出会って~

初めまして。神奈川県川崎市内で猫の不妊手術病院を開院してる獣医師のHinagikuと申します。noteでは人と動物の共生や、普段の活動、課題など自分の考えをまとめたり共有できればと思い始めました。

今回は獣医師を志した動機について。

中学生の頃、たまたまネットで見つけた動物虐待の事件が「人と動物の関係ってなんだろう」と考えるきっかけとなりました。

こげんたちゃん事件(福岡猫虐待事件)は2002年に起こった、ネット上での子猫公開虐殺事件です。電子掲示板2ちゃんねるの「ペット大嫌い」というスレッドに、とある人物が自宅の風呂場で行った子猫への虐待画像をリアルタイムで掲載していきました。その様子を煽るような書き込みもあり、最終的には虐殺。

その残虐性や陰鬱さから様々なメディアで取り上げられたそうです。それでも当時の動物愛護法では、これだけの虐待を行っても書類送検がせいぜい。犯人もそれを分かっていたのか、警察を馬鹿にするような書き込みも。

しかしこの事件は沢山の人が書類送検だけではおかしいと声を上げた結果、IPアドレスから犯人が突き止めれられ、最終的に有罪判決を受けることとなりました。動物愛護法違反として判決を受けた草分け的な事例となったのです。

私がこの事件を知ったのはこの有罪判決が出た数年後のことでした。当時は既に写真等は削除されていましたが、その書き込みの記録を追っていくだけで吐き気がするような事件でした。しかし怒りや憤りを抱え込むだけではなく皆が声を上げ行動に移していくことで、それまで不可能と言われていた事柄も変えることができるというのも同時に強く印象付けられました。

人間社会の中において動物と人がより良く生きていくために自分はどうすればいいのか。

そこから動物と関わる様々な職業(野生動物保護や写真家、ドッグトレーナー、アニマルセラピーなど)、国内外の保健所、アニマルシェルターなど調べ、最終的に「シェルター獣医師」になりたいと思い獣医師を目指すようになりました。

後々、日本ではそのような職業はほとんど無いと思い知らされましたが。

それでも近年になって愛護の意識向上や、犬や猫の不妊手術の重要性が浸透するにつれて獣医師の需要も高まっていると感じます。今自分にできることを日々考えながら今後も獣医療・愛護法・関連書籍についてこちらでアップデートや共有できればと考えています。

*参照*

↑こちらはこげんたちゃん事件から7年後に出版されています。大人だけではなく子供にまで多くの人の人生に影響を与えました。






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