十津川に行ってきました〜
夏ぶりに十津川村に行ってきました。
1泊2日という弾丸旅ながら濃厚であった。
さすが十津川村、ただじゃ帰してくれないぜ…(好き)
なぜ十津川か?
十津川村をご存知ですか?
奈良県の最南、和歌山との県境にある日本で一番大きい村です。
そのほとんどを占めるのは山、山、山、川。
山の斜面を這うように家々が立ち並び、どうしてここに人類が?
と、思わざるを得ない、パワフルでミステリアスな村です。
なんで東大寺ではなく十津川村に行くのか?
もちろん、東大寺も大好きですが、今回は以下の理由から十津川を選びました。
車を出してくれる人がいたので、車でないと行けない所に行きたかった
とにかく情報量を減らしたかった
美しい自然に触れたい
寺や神社も好きだけど、人工物だから今回はそういうのもなし
これら全てを満たすのが十津川村なのです!!(玉置神社には行ったが)
それに加え、夏に訪れた時の衝撃が未だ冷めやらず、
あの時は要所を車でささっと寄っただけだったから、
今度は泊まってじっくりと十津川バイブスを体内に入れたかった。
1日目:雨、行程メモ
今後のためにも行程をメモっておく。
先に言っておくが、1泊2日は短すぎるので、
次回からはもっと余裕を持ったスケジュールを組もう。
京都〜大和八木
はい。雨でした。
新幹線で京都駅→近鉄に乗り換えて大和八木で同行者と待ち合わせ。
近鉄の特急に初めて乗ったのだが、最高に快適だった。
520円プラスで払う価値ありまくりです。次からは特急使う。
しかし、近鉄は人身事故により大幅に遅れており、
何時に大和八木に着くのか分からない状況…
案の定、30分遅れで大和八木に到着。同行者に謝罪(初対面)
なのになぜか、予定通りに十津川村に着くという。
早くも歪み始めるタイムライン。。
大和八木〜十津川村そして玉置
大和八木から2時間くらいで十津川村に到着。
そばを食べ、そば茶を買ったら玉置神社へ。
小雨がパラパラ降っており、霧が立ち込める厳かな雰囲気。
我々が参拝を終え、鳥居をくぐり車に向かった瞬間、雨がザーザー振りに。
呼ばれたってことにしておきましょう!!
宿着そして温泉
暗くなってきたため、早めに宿にて解散。
あたりをお散歩しようかと思うも、暗すぎて断念。
夜はノートに向き合いせっせと今後の予定整理などを進める。
これが、めちゃくちゃ捗りました。
山と川に囲まれ、視覚による刺激がぐんと減ったことにより、
体への負荷が軽くなったためでしょう。
そして温泉!
温泉って、熱すぎたりぬるかったり、適温が難しくなりがち。
だが十津川温泉は適温すぎた!!ずっと入っていたかった。
冬は配管を通っている間にちょうど良く温度が下がるそうです。
夜は寝たのか寝てないのかよく分からず、熟睡とはいえなかった。
でも一瞬で朝になった。
村の謎タイムラインに順調に巻き込まれてる。
十津川村のここが好き
十津川に沿って作られた集落
もちろん、村のほっとんどが山である十津川村である。
(確か、3/4だか90%だかが山と言っていたような??)
山間部に入ったところにも集落はある。
だけど例えば、今回宿泊した地区は村の中でもお店が多い集落のようで、
見下ろせばすぐ下に川が流れている環境だった。
地図を見ると、国道が川に沿って作られてることが分かりますよね。
村の真ん中を和歌山に向けてゆったり流れる十津川。
その昔、十津川村の山で切り出した木材をいかだに乗せて、
十津川を通って本宮まで届けたそうな。
東京の私の家の近くにも隅田川が通っているが、
塀に囲まれて居住区とキッチリ分けられているため、
川=わざわざ見に行く場所という感覚が強い。
仕方がない。それが都市生活である。
対して十津川村は、十津川との距離が近い。
物理的近さもあるが、心的近さもあるように思う。
どこに行っても川の存在感を感じる。
居住区と川の領域の境目が曖昧だ。
余所者になりに行く
十津川村のキャッチコピーは「心身再生の郷」だそうです。
山という場所は、古来より人間が住む場所ではなかった。
平地でないと田畑が作れないし、家を建てるのも難しい。
山は人ならざるものの領域だった。
「なんで十津川村に人が住んでるんですか?」と同行者に問うたが、
誰も分からないのだそう。記録が残っていないのである。
心身再生の郷と謳っているのが妙に上手いなと思うのは、
こいうところである。
山に入るということは、人間以外の領域に足を踏み入れるということ。
場合によっては死を意味する。
現代人には薄い感覚だが、村の暗く深い夜の中、
どこからか動物の声などが聞こえると、
私は自然の中にお邪魔しているんだという余所者の感覚を覚える。
摩訶不思議な十津川タイムライン
十津川村の時間の流れはなんだか特殊な気がする。
近鉄が遅延した時も、内心焦って申し訳ない気持ちになったが、
一方で「もうどうしようもない、お手上げだ。だってあの村、めちゃくちゃ遠いんだもん」と、全て放り投げる楽観的な自分がいた。
いつもなら、電車が2分遅れただけでイライラしているのに。
2日目は、村に住むマダムのお家にお邪魔しお話をしていたのだが、
1時間くらい経ったかな?と思って時計を見ると、
3時間くらい経ってた。
生活道路であるところの山道は、どんどん時間感覚を狂わせていく。
もう、1時間くらい走りましたか?と思っても30分だったり、
そもそも村がデカすぎて、同じ村内の移動にも時間がかかる。
最寄り駅までは1時間以上かかるしな。
そんな感じで、東京都荒川区と流れる時間のスピードが全く違う。
パラレルワールドに迷い込んだ気持ちで、楽しい。
総括
村内には信号が3つしかなく、最近コンビニ第1号店ができた。
そんな村の暮らしからしか、得られない滋養がある。
煮詰まって逃亡したくなったら、また十津川へ行こう。