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言い訳していいわけ??

 私は今、卒論に追われている。いや、卒論を盾に、あらゆることから逃げている。

 私が先頭を走っていて、その後ろに卒論〆切という壁がどんどん迫ってきている。卒論から逃げているように見えて、実はその壁の後ろに存在しているタスクから隠れているのだ。
 
 やりたくないことから逃げる癖がある。
 すぐに言い訳を思いつく。

 相方に投稿日程を勝手に設定された。私としては相談してほしかった。よく「足並みをそろえようよ。」と相方は言うが、なぜ私があなたの大きな歩幅に合わせなくてはいけないのだろうか。私の短い脚では、ついていけない。

 足並みをそろえるためには、3つの手段があると私は考える。

 1つ目は、歩幅の大きい方が、小さい方に合わせること。これ一見一番言いように見えるかもしれない。だが、相方は一匹狼。人に合わせることをしてこなかった人生を歩んできた彼は、今になって私に合わせてはくれない。変人であることが相方の良さであるのだから、それを殺すことにもなる。それは相方の自信喪失、プライドを傷つけることになるだろう。

 2つ目は、歩幅の小さい方が、大きい方に合わせること。これは今の状態。いや、今相方に求められている状態である。これは苦しい。これができれば苦労しない。

 そして三つ目が歩幅の小さい方が大きくリードをとった状態からスタートすること。これは私はもし卒論を既に終わらせていたら、という想定の話だ。ああ、もし終わっていれば、圧倒的な心の余裕から、屈伸して待ってるのにな。そして相方が横に来た瞬間にハイタッチをしてスキップでもしながら歩幅を合わせるのにな。

 というか、そもそも足並みをそろえるって何??
 
 相方の要求は、「同じ事を同じ時に同じ熱量でやりたい。」

 私には計画がある!相方には計画がない!突発的に始まるその作業に対応し続けることは、私の心をすり減らす。いや靴底をすり減らす。

 よーいドンが聞こえない。

 そもそも私は夜型だ。相方は朝方だ!そもそも個人の特性として、得意な時間、集中出来る時間がずれている。だからフレキシブルな仕事をしたいのに!!

 つまり相方の言う、「足並みをそろえる」とは、二人三脚状態だ。見えない紐で足首がガチガチに縛られている。くるぶしが痛い。苦しい。離れれば離れるほどに痛い。

 先に述べたように、道が一つしかなく、待っていれば必ず相方と合流できるならいい。しかし、相方は、今、私の少し先をさまよっている。そう、相方にもゴールが見えていない。相方はよく「ワクワクする方に進む」と言う。

 あっちに行ったりこっちに行ったり、とても予測できない。

 これ、足並みそろえるなんて無理じゃん!!!

 もし相方が10m級巨人だったら。

 私は肩に乗せてもらおう。そして、肩の上で卒論を書き進めよう。そしてたまに、そっちは崖だよ、と耳元で伝えよう。(急な方向転換に振り飛ばされるかもしれない)
 しかし実際の相方は1.8m級の小型巨人。しかも腰痛持ち。1.6m級の女型巨人の私は、乗せてもらえないだろう。腰が砕ける。私が後ろから追いかけて進んでいたら、急に巨大樹の森に方向転換する。そっちには調査兵団が張っているのに。それを後ろから大声で叫んでも、私の声は届かない。飲み会の席で隣の人にも聞こえない声質なのだから、雄叫びを上げながら走る彼の耳には到底届かない。

 ここまで考えてみて分かったのは、相方に身を任せる事はできない。ただサポートするね、では成り立たないということ。どちらかが相手に合わせるのはお互いに難しいということ。

 私は、同じ方向、同じゴールに向って進んでいれば、それでいいじゃないかと思う。

 短いスパンでゴールを決める。コマ地図のように。チェックポイントで合流する。そしてまた次のチェックポイントで会う。そこに着くまでの道は好きなところを通ればいい。
 
 私は左折だけで行ける、広い道を選ぶ。相方は一番短い道のりを選ぶ。それでいい。同じ車に乗ればいいのにね、それが難しいんだよね。
  

 長い言い訳になった。言い訳するのは得意だ。そうすることで解決策を見いだしてきた。今回の言い訳は、なかなか良い言い訳だった。相方に話してみよう。

 卒論が終わったら。

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