【第23回】毎月300字小説企画参加作品「ふうしゃ」(テーマ:車)
テーマ:車
タイトル:ふうしゃ
作:やまこし
好きな人には、今日見た「良いもの」を伝えたくなるものだ。
日記のようにチャットを送る。
「今日はね、風車を見たの」
「どんな?」
「風をうけて、ぐるぐると回っていた。色がとてもかわいくて、こどもがそれを見て喜んでいたの」
「どこで見たの」
「小さな丘みたいなのがあって、その向こうにいくつか、大きいのが並んでいる」
「へえ、とても絵画的だね」
「うん、近くの小屋も含めて、確かに絵みたいだった」
「待って、それもしかしてふうしゃの話をしている?」
「そうだよ?」
「かざぐるまだと思って話を聞いていたよ」
彼が人の背丈の何倍もあるかざぐるまを、一瞬でも想像していたのかもしれないと思うと、それだけで今日が輝き出すみたいだった。
(了)
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