【第15回】毎月300字小説企画参加作品『風桶』
第15回のお題は「酔う」です。酒に酔う、車に酔う。陶酔、麻酔など、「酔」が入った言葉でもOK。企画ルール(https://t.co/a85OsLJ3Hj)に沿って、03/02(土) 21～23時に #Monthly300と @mon300nov を付けて投稿して下さい。ご参加お待ちしております！
— 毎月300字小説企画 (@mon300nov) February 24, 2024
こちらに参加した作品です。
『風桶』
テーマ：酔う
作：やまこし
信号待ちをしているときにふと右を向くと、小さな白い花が鈴なりにたくさんついている木が目に入った。これは確か、アセビだ。漢字では「馬酔木」と書く。馬が毒のあるアセビの葉を食べてしまうと、酒に酔ったようにフラフラと歩く様子が由来らしい。と教えてくれたのが誰だったかはもう覚えていないが、そうとも限らないだろ、と思ったことはよく覚えている。
アセビの葉がおいしいから馬が葉を食い尽くしてしまう。それを見た飼い主は、焦ってその場から馬を走らせて逃げる。馬が疲れて酔ったようにフラフラと歩く、なんて。風と桶の距離感より近いな、随分と面白くないことを夢想したものだ。気づいたら信号は何度目かの青になっていた。
（了）
【毎月300字小説企画】#Monthly300 @mon300nov
— やまこし🦕 (@yamako_shi) March 2, 2024
『風桶』
作: やまこし
テーマ: 酔う
🐎🍃#掌編小説 pic.twitter.com/YDLl1wrhxN
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