RIDDLEというバンドは、いつも次の季節を連れてくる
はやり病が「はやり病」になってから、ビクビクしながらはじめて行ったライブはRIDDLEのツアー初日だった。
2020年3月、新宿ACBホール。
春や夏を祝える日だと思ったら、その後に我々を待っていたのは地獄の冬だった。
その冬はなかなか明けなかった。
ライブハウスはもちろん、全てのエンターテイメント、興行、芸術が強いられた寒さは厳しく、長かった。
いや、長く続いている。
大好きだったアイドルは、名前を大声で呼べないうちに解散してしまった。
そんな中開催されたcolor of smile19。
19歳のお誕生日は、冬のさいたま新都心でお祝いすることになった。
個人的におそらく7年ぶりのNorthern19はタイトで繊細な楽器とパワーが絶妙に絡み合って、あまりにもかっこよかった。
待ちに待ったRIDDLEはなんと「声出しOK」
久々に見た。
「シンガロング!」
と煽るメンバー。
そしてそれに堂々と応えられるオーディエンス。
お上が決めたことに従うのは誰だって嫌だし、パンクってそういうのに中指立ててるからパンクなのに、従わないとどんな場も与えられなかった3年間。
ついに、長い長い冬が明ける、と思った。
ああ、春が来るのだ。
いつも、RIDDLEには「季節」が似合うなと思っている。
それは四季のある日本っぽいし、寒すぎず暑すぎない「さいたま市」っぽいな、とも思う。
ライブの記憶はいつも季節と共にあるし、Trail of summerが聴きたくなったら夏で、Ring Ring Lonely Winterが聴きたくなったら冬だと決めている。
春だ。
今日のライブは春の訪れだ。
ライブハウスのいいところは、大きな音だから、大きな声で歌ったり、泣いたりしてもバレなくて恥ずかしくない、というところだ。
でも、音が大きくてもこちらが静かにしていなければいけなかった。ライブハウスとしての機能を全うできていないと思っていた。
もういいんだ。
BlueもStarfieldもAcceleratorも
大きな声で歌っていいんだ、、、、、
大嫌いな冬が深まっていく12月のさいたまで、
大好きな春の影が感じられた。
このまままた春の訪れはお預けかもしれない。
でも、きっと冬は終わる、そういう希望が見えた。
それだけで、嬉しかった。
エンターテインメントって、そういうためにあるんだと思う。
RIDDLE、19歳のお誕生日おめでとう。
ずっとそこにいてくれて、本当にありがとうございます。