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きょうの日記: お風呂上がりの梨

くだものの中で、梨が一番好きだ。
でも、出回るシーズンは短い。
私が好きな幸水という品種は特に短い。
そして高い。
社会人2年目、東京に一人暮らしの私にとっては高級品なので、親と一緒に彼らの田舎に行った時に買ってもらって食べるくらいしかチャンスがなかった。

ところで、働いている会社の性質上、農作物をいただく機会が結構ある。
ご実家が何か農業をやられている、というひとたちが多い。

そう

梨をいただいた。
大きいのを、ふたつ。

私は一人っ子なので、今までの人生で、ありがたいことに食べたいものを好きなだけ食べられたし、競うこともなかった。
果物以外は。

父親が果物全般だいすきで、気づくと冷蔵庫や野菜室から果物が消えている。
たべたい果物は「たべるぞ!」と思わないとなくなってしまう。

でも、いまはちがう。
大きくてとってもおいしい梨を、自分が好きなタイミングに、好きなだけ食べられる。

夜にくだものを食べるのが、体に悪いことはわかっている。
わかっているのだが、ここ数日毎日、
お風呂を溜めている間に梨を切って冷やしておき、お風呂あがりに夜風にあたりながら梨を食べる時間がとても愛おしい。

窓を開けると涼しい風が入ってくる。
虫の声が聞こえる。
うだるような夏をこえて、どうやら秋がやってきた。

秋は、寒さの足音がするので苦手だ。
少しでも「涼しいかも」と思うと、家にカイロのストックがあったかどうか、一瞬考えてしまう。

でも、一つだけ好きなところがある。
それは梨がおいしいところだ。

梨がだいすきだ。
今日もこれを書きながら食べている。
とってもおいしい。

幸せな夜だ。

いただいたサポートでココアを飲みながら、また新しい文章を書きたいと思います。