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「ライター」「コラムニスト」「エッセイスト」の違い
フリーライター&イラストレーターの陽菜ひよ子です。
文章を書く人のメジャーな肩書として、作家・ライター・エッセイストなどがあります。2年前、わたしは自分はその中間の人という意味で「文筆家」と名乗っていました。
当時、これらの職業の違いと「どうやって仕事を獲得するか?」について考察しました。(ごめんなさい、現在は有料記事です)
2年経ち、わたしは仕事ごとに肩書を変えるようになりました。仕事Aではインタビューライターであり、仕事Bはコラムニスト、Cはエッセイスト、さらにDではルポライター、などなど・・・
肩書って一つに決めなくていいんですよね。では、どのような根拠から、仕事によって肩書を変えているかについて書きたいと思います。
「客観的」か「主観的」か
私見ではありますが、わたしの考える「ライター」「コラムニスト」「エッセイスト」の違いを整理したいと思います。
もともと、コラムとは新聞・雑誌などの短評をさしますが、Webメディアでのコラムとは、あるテーマにそって、書き手が根拠に基づき、自身の意見を述べている記事になります。
「ライター」に最も求められるのは「客観性」だと考えています。
わたし自身「ライター」のときは、自分を出さず客観的な「ファクト」を延々と積み重ね、結論の方向性を決めて締めながらも、判断は読者にゆだねます。
対して「コラムニスト」「エッセイスト」は「自分」を出して書くことが多いです。
「コラム」と「エッセイ」の違いは、データ(根拠)があるかないかです。「コラム」は、ある程度客観的なデータを元に論じたもので、「エッセイ」は、ほぼ主観のみで書いたものでもOK。
整理すると「客観的」な順に「ライター」「コラムニスト」「エッセイスト」だと考えています。
ライターの書いたものはその記事の「事実」に価値があり、ライター自身の考察や感想などはほとんど求められません。逆にエッセイストの書いたものは、エッセイスト本人の考えに価値がある(もちろん記事に嘘がないことは前提として)のだと考えられます。
「作家性」があるか
完全な「黒子」に徹するのがライターですが、ちょっとややこしいのが「コラムニスト」と「エッセイスト」です。どちらも作家性があります。
ちなみに「作家性」とは、「その人が書くからこそ価値や魅力があること」だと捉えていただければ。
「コラム」と「エッセイ」はどちらが上ということもありませんが、より「作家性が高い」のが「エッセイ」かなと。
「コラム」はライターも書きますが、ライターの書くものには作家性は求められないことが多いです。
作家性の高い順に「エッセイスト」「コラム二スト」「ライター」かなと。
エッセイは一見誰にでも書けそうですが、おもしろく書くのは至難の業。作家性が高い=「誰が書くか」がかなり重要になります。
先日、こんな記事を書きました。実は最初この文章はこの投稿に書き連ねていたのですが、読み返すとかなり冗長で浮いていたので、独立した記事にしました。
ここでいう「求められていないストーリー」とは、作家性を求められない「ライター」が「エッセイスト」のように「自分語り」をした場合に起こりそうです。アイタタタッッッ(気を付けよう)。
わたしの仕事の場合
では具体的に、どのような場合に「ライター」「コラムニスト」「エッセイスト」を名乗るのか。僭越ながらわたしの仕事を例に挙げてお伝えしたいと思います。
◎朝日新聞Web『ツギノジダイ』
コチラに寄稿している記事は「ライターによる記事」だと考えています。
記事は取材相手の言葉と客観的なデータで構築。自分の主観は極力排除し「筆者」などの主語は登場しません。
◎弁護士ドットコム『弁護士ドットコムニュース』
ルポルタージュ的な記事。朝日の記事よりは、若干自分を出しており、「筆者」はたまに登場。
◎中日新聞広報誌ADFiLE
連載中のコラム『ナゴヤ愛はどこにある?』。いつもコラムと呼んでいますが、かなりエッセイに近いインタビューコラムです。
「筆者」という主語は頻繁に登場するので、ここでのわたしは「コラムニスト」もしくは「エッセイスト」なのだと思います。恐れ多いですが「ナゴヤに詳しい筆者によるエッセイ」なのだと捉えています。
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◎中京テレビ『PS純金』ファンクラブ『PSくらぶ』
アプリ内連載コラム『PSこらむ』は、「こらむ」という名前ですが、実際には「お店レポ」の形を取った「インタビューエッセイ」です。
(会員限定のため記事は読めません!ごめんなさい!)
お店レポといっても食レポではなく「お店の人を自分の主観で語る」レポートでありエッセイ。自分の行動を書くため「筆者」の出現頻度は高いです。
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このルポの場合、「お店の人」がすでに番組内で「スター」であることが多いので、その人をイチライターの視点で書くことに価値があると考えています。
◎拙著『ナゴヤ愛』(秀和システム)
Webメディアではありませんが、Webに載せるとしたら、コラムといえるのではないでしょうか。
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