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切れ目ない支援から見るDaiGo氏問題【社会活動家五嶋耀祥】

メンタリストDaiGo氏による、生活保護受給者に対するヘイトスピーチ動画の炎上事件について、私がNPOとして活動する「切れ目ない支援」の目線から少し見解を述べさせていただきたく、本記事を執筆しております。

様々な視点があるかと思いますが、私の活動する「妊娠期からの切れ目ない支援」フィンランドのネウボラをモデルにした日本版ネウボラ、子育て支援の活動です。

ネウボラの概念が日本の福祉の世界に出てきて以来、「ワンストップの相談窓口」「切れ目ない支援」が乱立しました。

ワンストップの支援はハブとなるべき福祉機能のことであって、フィンランドでは、ネウボラにいけば、子育ての悩みは全て解決するというものです。

子育てに限らず、日本ではあらゆる福祉のワンストップ窓口が乱立してしまいました。乱立するのはそもそもおかしいのです。

じゃあ、どこにいけばいいのさ?

ってなりますよね。

そんなわけのわからない福祉が日本なので、今回の事件とも大いに関係するのがこの「切れ目のない」話になります。

生活保護に対するみなさんのイメージとはどういうものでしょうか。

生活保護を受けることは国民としての権利であり、本人の努力不足を持ち出す必要は全くありません。

国民は最低限の生活ができる権利を有しています。それが損なわれた時であるから、生活保護による立て直しを図ることができるという考え方になります。

生活保護は恥ずかしいことではなく、むしろ積極的に利用するべきなのです。

子どもの貧困と政府は声だかに子ども食堂をたくさん作っていますが、これは本末転倒な仕組み作りです。今、何も支援のリソースがないから有効というだけです。

お金があったなら、孤立しない子育て環境が身近にあったなら、私たち子育て世代は家族とレストランで食事したいと考える人の方が多いのではないでしょうか?または、自分たちで丁寧に作った食事で家族と団欒したいと思いませんか?

子育て世代にお金がないことは、国の政策の大いなる偏りであり、失敗であるのに、その改善が未だなされていません。

子どもの貧困を生み出しているのは、低賃金・非正規雇用の増加という雇用環境の問題と、他ならぬ国の税金の仕組みと社会福祉の保障の失敗です。

一部の優遇を取るために、社会的弱者や低賃金の子育て・若者世代、または高額所得者から大きな税率で税金を徴収している現状があります。

そこがおかしい。

また、そのような環境に陥ってしまった時、ワンストップの窓口が乱立していて、行政の縦割りに沿ってきれいにたらい回しにされ、結局は支援の手がないね、もしくは、その支援があるのに諦めざるを得ないということがとても多いのが今の日本の福祉なのです。なので、私たちのようなNPOの活動があり、それらの制度の隙間を支えるリソースとして活動しているわけです。

政府の社会福祉の機能がしっかりしていれば、本来私たちのような社会活動というのは必要がないものなので、私たちは、常に、この活動が将来なくなることを目指して、社会課題が解決することのために取り組んでいます。

今回の事件については、この問題が大きく世の中に飛び出した一事例であると考えます。

社会における問題点は次です。

●多くの国民生活を保証するような雇用環境が整っていない

●多くの国民生活を保証するような福祉環境が整っていない

●税金の徴収の仕組みに問題がある

ヘイトスピーチを行った、DaiGo氏については、残念ながら、言葉の暴力事件であって、目を瞑ることはできない事象となってしまいました。

生活保護を受ける人の「命がなくてもいい」という発言は差別であり、優劣の思想であり、それを個人で思うのは勝手ですが、世の中に発信するべきことではありません。私たちの税金はそのような福祉のためにもちろん使われるべきです。誰もがいつどのような環境に陥るかはわからないのです。平等・公平な人生の再構築ができる環境を整えるべきです。

それを子育ての分野で実現しているのが、フィンランドのネウボラです。

しかしながら、高額所得者からも多額の税金を徴収しているというこの国の側面があり、DaiGo氏を今回のようなマインドに陥れてしまっているのだと思います。

若くして、莫大なフォロワー数を持つサブスクという継続的な課金を伴うビジネスで巨額の富を得る人が実際にネットの世界では増えてきているのも事実です。

誰もが納得できる税金のシステムがあるということも必要です。

しかしながら、諸外国では裕福層が寄附をすることが社会的な財源となることも教育の中でしっかりと教えているので、寄付文化による社会福祉の継続ということもなされています。

ハリウッドスターなどがよく多額の寄付をしていることはニュースなどでも目にする話題ではないかと思います。

このような寄付文化が、日本では特にないと言われているため、私たちのようなNPO活動の継続が難しいということも日本の福祉の問題点でもあります。

そこを寄付を回すという視点で、私たちの本来望む福祉なのかどうかは定かではないところですが、先述したような子ども食堂という福祉リソースについては、成功事例なのだと言われる所以です。

(このように書くと子ども食堂を否定しているように感じられるかもしれず申し訳ありません、私たちも居場所、食事提供の場としての子ども食堂の運営をもちろんしています、それ以上の根本の問題についてを指して書いています)

このように福祉的な目線を持って切り出してみると、福祉、税金、教育どの面から見ても、日本の社会は残念ながら成熟していない社会であるということが明らかです。

私たちがこの問題から目を向けるべきことは

●納得のいく社会保障の制度、税金設計された仕組みであるのか?

●ヘイトスピーチとはなんなのか、人権とは何か?

●生活保護受給は、困った時は誰でも申請して良い。

というこの3点です。

私たちは今後も、フィンランドネウボラの「切れ目ない支援」の目線からここを支える支援活動、理想の福祉実現を目指していきたいと考えています。

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました!

五嶋耀祥

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五嶋耀祥
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