#08 もっと和食を。
今年に入ってから食品の値上げに目を見張る。春からの更なる値上げのニュースを耳にする度にクラクラする。
原材料の高騰、物流や人件費、ウクライナ情勢や円安など…
原因を聞くと、仕方ないなと思いつつ、日常に欠かせない食料品は、家計にドン!と響いてくるだけに、やはり敏感に反応してしまう。
コロナ禍をきっかけに、私たちの食生活は、世界に支えられていたんだとつくづく感じることが多くなった。
世界の料理が楽しめ、様々な食材が、簡単に安価で手に入ることに慣れてしまっていた。
いつでも何でも買える仕組みができている日本は、とても恵まれているのだ。だって、日本の食料自給率は38%(カロリーベース)、先進国の中でも最下位。それでいて欲しい食材が買え、何でも食べれることは、それだけ輸入品に依存しているということ…これには少し戸惑いを感じてしまう。
今回の値上げされる多くの商品は、原材料が小麦。小麦は90%が輸入されており、麺類やパンと言った直接的な材料の1つだけでなく、畜産物の飼料としても使われている。飼料の小麦やとうもろこしのほとんどは輸入であり、牛肉1キロの生産にはその10倍にあたる11kgの穀物が必要とも言われているからビックリ!国産なんていいながらも飼料が輸入だと国産と言えるのかな?
そして燃料の高騰も大きく価格にのしかかる。
遠い国から日本へ、そして私たちの家に辿り着くまでの長い長い道のりのガソリン代、製造するには機械だって動かす…その燃料代、スーパーに並べられる時には、キレイにパックされている包装だって石油からできている。
もちろんその1つ1つの工程には人が動いてくれるからこそ、できているのだから、人にはいっぱい払いたい…
そう考えると、この安さで手にしていることに逆に驚く。
数年前から地球温暖化の問題が大きく取り上げられ、持続可能な社会へと世界が動いていることを考えると、人ごとではなく私たち消費者の行動も見直す時期なのだと思う。
江戸時代は、ほぼ100%だった日本の自給率。もちろんパンもパスタもない時代。
これを機に、日本は米文化だったことを思い返し、地産地消の取り組みなど食生活をもっと見直してもいいのではないのかな…
桜の儚い美しさを感じる私たち日本人は、四季を五感で感じることができる。
旬の素材がそばにあることは幸せであり、日々の食事に取り入れる和食をもう一度見直したい。