推しの概念香水を嗅いだらIQが500下がった話
※こちらの記事は二次元のキャラクターに重めの恋愛感情を抱いている人間が書いております。テンションについて行けねえ!という方はそっとこの記事を閉じていただくことをお勧めします。
推しの香りを身にまといたい。あわよくば布団に推しの香水をばら撒きたい。そう考えたことはないだろうか。私はある。
しかし作中で推しが愛用している香水が明示されることもなければ、公式で商品化されている訳でもない。そうなるともう我々(勝手に周りを巻き込む)に出来ることは想像、妄想、行動だ。公式のグッズ化を待つのも良いが、兵は拙速を尊ぶと言うように、オタ活もやりたいと思った時が1番の動き時だ。せっかちな私には出るかも分からないグッズを待ち続けられる程の心の余裕はない。
推しの香りを身にまといたい。あわよくば風呂に推しの香水をばら撒きたい。そう考える同士よ、共に立ち上がるのです。
まず、今回探したのは呪いと戦う、冬に劇場版が公開されるあのアニメの、袈裟を来たあの人の概念香水である。偶然他の推しを彷彿とさせるような香水も今回発見したが、それはまた後ほど。
とりあえず市場調査に出かける。近所の雑貨屋さんの香水売場に乗り込み、片っ端からテスターの匂いを嗅いでいく。こうやって、まずは推しの香りがどんな系統の香りなのかを自分のイメージと擦り合わせながら絞り込む算段だ。
本当に様々な系統の香りがあるので、この中に一つくらいこれだ!という香りがあるはず……!
まずい
……分からなくなってきた
私の推しとは、一体何者なのか。
まずい。こんなはずではなかった。
まさか推しの解像度を上げようとしてむしろ下がってしまうようなことになるとは。
放心状態で帰宅。これが双六なら1回休みどころかサイコロで1が出るまで足踏み状態である。
そんなこんなで何日か経った。推しの概念香水のことを一旦頭から追い出し、原作を読み込むことに専念していた私はちょっとコンビニまで出かけようとして、母のパーカーを借りた。この時、一大事が起きる。何を言ってるのか分からないと思うがその時あったことをそのまま伝える。
パーカーをタンスから拝借し、ふっと持ち上げた時。
フワッ
……
居る!!!!!
信じられないと思うが、母親のパーカーから推しの香りがする。待ちやがれお母さん、貴女一体私の推しとどんな関係???
即座に母親に詰め寄り、香りの出処を問い詰める。解答次第ではけちょんけちょんにしてやるわ。
「ああ、香袋じゃない? デパートで買ったやつ」
それだ!!!!!何年か前にそんなの買ってたね!!!!!The・お香の香り!!!!!私の推しはお香の香り!!!!!
そうなれば話は早い。とりあえずネットで線香を探す。余談だが私は線香の香りが好きだ。昔おじいちゃんの家に行くと過呼吸寸前まで深呼吸したし、理科の実験で煙を出すために使った線香は握りしめて香りを手のひらに移していた。推しの香り(概念)と私の好みが一致した瞬間である。
「……マッマ、私線香欲しい」
「うちにはタマ(仮名)いるからやめときなさい。それにあなた喘息でしょ」
……デスヨネ。
やはり煙は私と愛猫には良くない。ということで原点回帰しお香の香りの香水を探す。ここは文明に頼ろうと、Googleを開く。
〜情報の海で素潜りすること小一時間〜
お香……お香なら私、白檀とか好きだったな……
ン……?白檀=サンダルウッド……?
アロマオイル見に行くか……
(ここで一旦謎の男にナンパされながら無印に向かう。雛、19歳にして初めてのナンパである。うるせえ私は今教祖してる推しに頭が狂っているんだ。プラスのネタにしてやんぞコラ(した) 。ケーキかたくあんどっちが好き?なんてナンパ男に聞かれても私はもう推しの名前しか言えない廃人になっている。変人meets 変人の地獄絵図である)
サンダルウッド……めっちゃ木の香り……
いい匂いなんだけどなんか違うなァ……
もっかいググってみよ……
……! これだ!!!!!お香の香水!!!
ちなみに今回概念香水を探すにあたって考えていた条件としては
・とりあえずお香の香り
・できる限りリーズナブルな価格
・店舗販売しているもの
が主に上げられる。なんとまあ、わがままな小娘だろう。しかし言い訳させて欲しい。限界オタク女子大生なのでまず金がない。プチプラの香水ほど残念な結果になることが多い、というのは昔の偉い人も言っていたし(要出典)私も身をもって経験していたが譲れない。私はまだ香水に万単位のお金は出せない。そしてこれは驚きだったが、店舗販売している、という条件が1番難しかった。私はちゃんと嗅いで匂いを確かめたい。目をつぶって香水を嗅いだ時、眼前に広がる推しの胸板が無かったら今回に関しては意味が無いのだ。そんな香水はそうそう見つからないであろう。だが今回、こんなわがまま小娘の条件に全て当てはまる素敵な香水と運命の出会いを果たしたわけだ。
その香水に会うには渋谷に行けばいいというのも調べた。さあ、行こうではないか、推しに会いに。
ここから先は割とトントン拍子だった。さすがにこのご時世、対策無しであの渋谷へ行くのは無謀である。私は天気予報と睨めっこし、雨の予報が出ている日を狙った。少しでも人が少ないといいなぁという気持ちだ。大学の授業を受け終え、お昼ご飯も食べずに渋谷へ向かう。事前に調べた香水のお店に無事にたどり着き、お目当てのブツも見つけた。
早速その香りを確かめたい。
既に香水が振りかけられている紙(ムエットって言うらしいですね)を顔に近づける。
スゥッ
……
……うん。
お香の香り。
そう。お香の香り。いや、知っていたことだしそれ目当てで来たんだけど。なんだろう、少し単調というかのっぺりした香りというか。もちろん好きな香りなんだけど、あまりピンと来ない。
ムエット(覚えた言葉を早速使ってみたい)の横に香水そのものが置いてあったので、手首にシュッと吹きかけてみる。
……!
これは……!
やっと、逢えたね……
本当にびっくりした。まさか香水の匂い嗅いで涙目になる日が来るとは思っていなかった。思わず息を飲む。その時に吸った空気がモロ推しの香りで本当に涙出た。赤い実は大暴発、恋に落ちる音がした。ドンガラガッシャン。
付けたてが、ヒノキの本当にさっぱりとした爽やかな香り。The・好青年〜〜〜!って感じの。え、推しじゃん。そんでこの爽やかな香りが、割とすぐにセクシーな大人っぽいお香の香りに変わる。最後のあたりはひたすらお香の優しい香り。最初に私が嗅いだのはこの最後の優しい香りだったってわけだ。
この香りを嗅いだ瞬間、脳内に流れ込む3年間の青い春。そしてその突如終わる青春の後やってくる少し重くて仄甘い男の香り。そして最後まで残る真っ直ぐな優しさ。推しはやはり芯が優しい男だと言うことをこの香水が証明してくれました。拍手。
ここで1度落ち着こうと色々店内を見て回る。あのめっちゃ流行った歌に出てくるド〇ガバもあった。これ確か高いやつよね、というのが5000円ちょいで売ってたりもした。え、好みの香りだったらまたいずれ買いに来たいんだけど。こちらも興味が湧いたので少し嗅いでみた。
あっ、この香り、知ってる(初めて嗅いだ)
その香りは、我が推し、瀬見英太ではないか???
爽やか。とにかく爽やかでむしろ癖すら感じる真っ直ぐさ。これに関しては手首にシュッはしてないので付けたての香りがどうかによってまた変わると思うけど、本当にびっくりした。さすがドル〇バ。その香水のせいであの伝説のクソダサ私服(褒めてる)まで鮮明に思い出せた。
でもあの人バンドマンだからなあ……学生時代はあの香りだけど大人になったらまた変わりそう……
瀬見英太の香りについては要研究なので、今回は当初のお香の香水だけ購入する。平然とお会計を済ませるが心は興奮で打ち震えていた。
心どころか手も震えていたようで、帰ってきてから財布にあるはずの1000円札が1枚無いことに気がついた。これは落胆した。せめて何処かで誰かが「親方!空から1000円札が!」みたいな感じで喜んでくれればいいと思った。
家でもう一度、ウッキウキで香水を自身に振りかける。脇腹にワンプッシュ。
……これは
推しに、抱かれている……???
ふとした時にフワリと香る推しの香り。(概念)無意味に立ったり座ったりを繰り返してしまう。Zoom授業に集中できない。今ならZoom授業中構って欲しくなった彼氏にちょっかいかけられる夢小説が書ける。
そして割と持続力ある香りなので夜に吹きかけてから寝ると推しと一緒に寝ている感じになる。幸せ。QOLが爆上がりしているのを感じる。
風呂に吹きかけるのはまだやってないので(家族共同で使う風呂場に推しを撒き散らしたくないという独占欲が邪魔をする)、誰か風呂場に推しを招きたい方もしくは招いた方ががいらっしゃいましたらぜひどんな感じたったか差支えのない範囲でお聞かせいただければ幸いです。
結論
推しとの同棲が始まった
次回予告
発見! 更なる推しの香りの効能
参考 今回購入した香水 凛 オードパルファム
瀬見英太の概念香水候補 ドルチェアンドガッバーナ ライトブルー オードトワレ
おしまい
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