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ベトナムの学校と日本語⑤

Xin chào🌞

ここまでベトナムの日本語教育に関連して書いてきましたが、今回は最後なので英語などにも触れながらまとめていきます!


~これほんとに第二外国語!?~
まず、ベトナムの人は第二外国語として日本語を勉強しています。
ベトナム語も英語も日本語も話せるって、すごくないですか?
え、日本人?って思うほど流暢な同い年の学生さんにも出会いました。ちなみに英語も超できる…
その学生さんに日本語を学び始めた理由を尋ねると、絵を描くことが好きで漫画も大好きで、だから両方活かして日本語の漫画を自分で作りたいからと教えてくれました。日本のアニメや漫画の人気があり、小さいうちから第二外国語に触れる機会が多くあることが、ベトナムで言語学習が進んでいる理由の1つなのかなと思いました。

ハノイやダナン・ホイアンに観光に行った際も、まだ小学生くらいの女の子がとても流暢に商品の紹介をしてくれる場面が何度かあって「英語は世界中の人と繋がるための道具」という教授の言葉になるほどなと思うと同時に、第一外国語の英語ですら流暢に話せない自分を比べてしまいました…。
私はベトナムに行って「Do you speak English?」と聞かれたとき最初はいつも緊張してしまいましたが、話始めると共通言語があることがいかに楽かを実感しました。
しかも母語が英語の人と話すのとはなんだか少し違う感覚。今文法違っていたよな、とか自分が思っているほど相手も気にしていないし、英語ができるかできないかというよりも、その場その場でお互いにベストな言語を使って、話そう、伝えようとする積極性が大切なのだと感じました。
世界には英語を学習する人が沢山いると頭ではわかっていたけれど、実際に会って話せて、英語学習に対する考え方のハードルが下がった気がします。

また、その言語の学習者の数は政治的背景を強く反映しているというお話をききました。以前はベトナムから日本に出稼ぎに行く人が多かったために日本語を勉強する人も多かったけれど、近年は出稼ぎ先が変わってきて日本語学習者もあまり増加していないそうです…

日本語を教える際には、学習者の学ぶ目的を知ったうえでそのニーズに合わせた教え方ができたらいいなと思いました。

一緒にまわってくれたダナン大学の学生さんが
超頑張って値引き交渉してくれました🙈



~日本語も英語も通じない…どうする?!~
特に中学校・高校訪問では、日本語がまだ習いたてだったこともあり、話をしたくてもできない場面が沢山ありました。日本語も英語も通じない、私が話せるベトナム語は「こんにちは」と「ありがとう」程度、じゃあどうやってコミュニケーションをとろうと思った時、やっぱり翻訳機に頼るしかありませんでした。しょうがないことだけれど、翻訳機を介しての会話に私はどうしても距離感を感じてしまいます…

現在日本に住む外国人の数が急増し、同じような状況で日本の学校に通う子どもたちも増えています。日本に日本人しかいない時代はもう終わり。将来私のもつクラスにそういった子がいた時、その国の言語、文化や社会背景について学んで知ろうとする、その言語ができる外部の人に協力してもらう、日本語のボランティア教室などと繋ぐなどの支援ができると思います。
しかし授業についていけないストレスや、友達と会話できなかったり、相談したくても自分の思いを自分の言葉で伝えられなかったりするつらさなど、勉強面だけでなく精神面でも言語は大きな壁になるため、これらの支援ではとても足りないと思います。
ベトナムに行って色々な形のコミュニケーションに出会って、翻訳機に頼りすぎない直接的なコミュニケーションをとる方法、日本語も英語もできない子への対応の仕方について知りたいと思いました。今は「外国にルーツを持つ子どもへの対応」を卒業論文のテーマにしようかなと考えています。それぞれの学校が様々な工夫をしているので、その方法や工夫について学び現場の方からお話を聞くことで自分の材料や引き出しを増やして、将来の自分にできることを増やしていきたいなと考えるようになりました。

日本語指導が必要な児童生徒の数は
約6万人!!
愛知県、神奈川県に多くて
ポルトガル語・中国語を母語とする
児童が多い

※資料
日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(令和3年度)  文部科学省


〜研修を通して〜
今回の研修で一番感じたことは、人との出逢いは本当に大切だということです。
「どこに行くのかではなく誰と出会えるかが大切」と言いますが、本当にそうだなと実感しています。

私はベトナムに行って、世界にはこんな風な生活をしている人もいるんだ、こんな考え方を持つ人たちがいるんだとわかったことがとても大きかったです。少し考え方がポジティブになった気がします。ベトナムは時間の流れがゆっくりしていて、型にはまらないアバウトな雰囲気のおかげで、私も楽な気持ちでのびのびと生活できました。

また、あったかい人たちに多く出会って、何度もあたたかい気持ちになれて、たとえコミュニケーションがうまく通じなくても人って繋がれるんだなぁと思いました。
自分の人生を考えるうえでお手本にしたい部分や尊敬できる部分をもつ人とも沢山出会えました。

行く前はホテルと学校だけの行き来で関わる人も少ないのかなと思っていたけれど、1か月間で思っていたよりずっと多くの人達と、想像よりも深く関わることができた研修だよって、これからベトナム研修行く人たちに伝えたい!


後半2週間で何時間話したんだろうってくらい話した本当に大好きな先生。
わたしもこういう人生送りたいなぁ


この研修を通してありがとうを伝えたい人がいっぱいいます。

毎日どんな時でも笑顔で明るく「Xin chào!」と挨拶してくれたホテルのロビーの人、
朝ごはんの時いつもお味噌汁を出してくれて、おやつにタロイモコロッケとバインバオを持たせてくれたしたホテルの朝食会場のお姉さん、
部屋に編み物のぬいぐるみを置いていってくれる優しい掃除のおばちゃんたち、
帰りの車の中で好きな歌手のMVを永遠に見せてくれた国際交流課のおじさん、
毎回違う人なのにどの人も運転はスリル満点だし話は面白いしでドライブ楽しませてくれたタクシーの運転手の人たち、
水没したスマホの修理からイベントの告知から授業関連まで何でもやってくださったハイフォン大学の先生方、
ベトナムの色々なことや日本語教育について親身に教えてくださった日本人の先生方、
模擬授業からイベントまで沢山関わってくれた明るくて元気な日本語教室と日本語クラブの学生さんたち、
観光に行った際にダナン大学を案内してくれた先生やその学生さんたち、
日本語教室で働いていて個人的にお話を聞かせてくださった青年海外協力隊の方、
そして研修を設定して色々な手続きをしてくださった茨城大学の先生方、
留学行くことに賛成してくれた家族、
何よりも1カ月一緒に過ごしてくれて、頑張る時ものんびりする時も何しても心地よくて楽しかった2人、この存在が本当に大きい…🫧
今記事を読んでくれている人も、ありがとうございます!

このベトナム研修をおススメしたいかと聞かれたらそれはもう強くおススメしたいけれど、でもやっぱり何事もそうですが、同じことを経験しても、それが楽しいで終わるのかその経験を学びに繋げられるのかは自分次第だと思いました。
1つでも多く吸収して帰ろうという意思を持っていないとただ経験した満足感で終わってしまいがちだと思うので、自分からお話を聞きに行く積極性だったり、色んな所でアンテナをはって過ごしたりすることが大切なのかなと思います。ベトナムで精一杯頑張れたし、一生懸命頑張ることが楽しかったなと思えることが、これからの自分の自信に繋がると嬉しいです。


~最後に~
この研修を通して、もっと世界を見てみたいという気持ちが大きくなりました!
観光で行くのと留学は人と関わる深さが全然違うから見えるものも大きく異なるとは思うけれど、どちらにしても自分が想像していないような生活を見たり、世界で色んな形で頑張っている人に出会ったりして、もっと自分の考えの土台や幅を広げていきたいです。

本当にいい環境で、本当にいい人たちに巡り合えて、思い出に残るとてもいい春休みになりました。ありがとうございました!

沢山連れて帰ってきたこの子達と一緒に
これからも楽しく頑張ってこ〜🐥


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