ベトナムの学校と日本語②
前回のベトナムの中高の学校訪問に続き、
今回は日本語センターの訪問について共有します。
実際に見学してみると私の想像していたものとは大きく異なり、各地から集まった幅広い年齢層の生徒さんたちは私だったら耐えられないと思うような生活を送っていました…
1. 学校の制度
日本語センターとは、実際に日本で生活しようとする人々が短期間で集中的に日本語を習得するための養成機関です。
このような機関はハノイやホーチミンなどの大都市に多く存在しているそうで、ハイフォンにあるのはこの学校のみです。
先生は日本人教師1名、ベトナム人講師5名の計6名で運営されていました。
N2~N3の日本語力がないと日本で働くのは難しいとされ、生徒さんは約半年間寮で団体生活を送りながらみっちり日本語を勉強します。
この学校は
(1)実践的な日本語の運用
(2)日本語での生活、文化についての教育
(3)体力づくり
の3つの柱を掲げていて、日本で実際に生活することを見据えて日本語の力を養うだけでは補えない部分もカバーする教育がされていました。
その中でも特に(3)で挙げた体力づくりに力が注がれており、起床後まずは運動、そして1日の勉強が終わった後にも運動…
その上驚くことに、学習に専念するため、限られたわずかな指定時間以外は携帯電話の使用は禁止で、禁止時間内に使用していると罰金が科されます。
もっと驚くのが、1つの部屋にあるのは2段ベッドが4つ、トイレ、シャワーだけということです。特にベッドは、敷布団がなくうすい藁のようなものが1枚あるだけで、こんなにも過酷な毎日を送っていたらフカフカのお布団で寝たいだろうになぁと思ってしまいました。
センターで働く方のお話の中で、困難な点として挙げられていたのが、約半年間ずっと日本語を学ぶためモチベーションを保つのが難しい人がいることと、年齢層が幅広いため比較的年齢層が高い人の方が日本語の習得が遅いことです。先生の視点で考えても、学ぶ目的や年齢層のバラつきがあることも通常の学校とは大きく異なる点であり、授業を作成するうえで考慮すべきことが多く困難も多いと感じました。
そんな状況でも、生徒さんたちは毎日簡単な日記を書いたり、授業以外の時間でもなるべく日本語を使うように心がけたりと、とにかく毎日日本語を使うこと、そして何度も繰り返すことを大切にして、みんなで支え合いながら頑張っているようです。
2. 授業見学を通して
授業でも驚いたことがありました。
発表が終わった生徒さんは
「はい、失礼します。」
と言ってお辞儀をしてから座ります!
日本でもそんなことはやらないのに、、とも思いましたが
これも日本が礼儀を重んじることを意識した教育の一環なのだと思います。
また、日本語を学ぶ必要性や目的が明確なことから、楽しく学ぶことを重視した雰囲気の大学の授業とは異なり、とても真剣で緊張感のある授業が行われている印象を強く受けました。
教師も生徒と一緒に頑張ろうとしているイメージで、実際に現地で生活することを考えると、日本語を教えると一言で言っても、教師側の教える責任の重さをひしひしと感じました。
3.感想
今回の訪問を通して、生きていくために頑張っている人たちがこんなにもいるのだと知って、自分がどれだけ恵まれているか、また言語の壁がどれだけ負担になるかを考えさせられました。
厳しい環境の中でも、明るく元気に頑張っている姿に元気をもらって、私も日本語を学ぶ人たちを支えたいという思いが強くなった1日でした!
次回はハイフォン大学に通う学生との交流について投稿します。thấy bạn👋🏻
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