デザイナーとしての新規事業チームでのコミュニケーションの取り方
8/28(水)に開催されたヤフー株式会社さんのイベントにてお話した内容を全文公開します🙌
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みなさん、お疲れ様です!今回私の方では「デザイナーとして新規事業チームでのコミュニケーションの取り方」についてお話したいと思います。
改めまして、はじめまして。株式会社ミクシィでデザイナーをしている日野と言います。
普段は「ふらっと集まれる作業通話アプリmocri」というサービスのデザイナーをしています。ちなみに、まだβ版です。
絵や勉強など、作業しながら通話をする「作業通話」という文化があり、その作業通話に特化したアプリになります。
(2019/10/10 追記)
お陰様で正式リリースいたしました。
チームメンバーはこの5人で、
その中でデザイナーは私一人だけです。
デザイナー1人だと、1人でチームメンバーにデザインのことを上手く伝えられるか不安だったり、デザインの意思決定を1人でする自信がない…など、色々不安なことがあると思います。
ということで、本日は、デザイナー1人だけの私が、デザイナーとして新規事業のチームの中でどうコミュニケーションを取っていったかお話したいと思います。
まず「新規事業でデザイナーとして何をしていったか」をお話していきたいと思います。
結論から言いますと、自分がどんなデザイナーなのかをチームメンバーに伝えていきました。
伝えていかないと、例えば、自分は仕様から考えてデザインを作りたいのに、相手はそれを知らないので、ビジュアルだけ作ってと依頼されてしまうかもしれません。
そうすると、何も考えずにデザインを作る人…ただ作業をする人になってしまいます。
そうならないためには、自分がどういうことをしたい、どういうことができるのかをチームメンバーに伝えていく必要があります。
言葉にするのは簡単ですが…そもそもどう伝えればいいのか?という問題があると思います。
私達mocriのチームでは、新しくメンバーが増えたタイミングでいつも「チームビルディング」をしています。
このチームビルディングを使って自分がどんなデザイナーなのかを伝えていきます。
チームビルディングとは、1人では成し遂げられない目的や目標を達成できるチームを作り上げていくことです。
良いパフォーマンスをとれるチームを作り上げるために、様々なワークを行っています。
主にmocriでは、この5つのワークを行っています。
今日はこの中で、「ドラッカー風エクササイズ」と「権限と責任」の話をします。
まず1つ目は「ドラッカー風エクササイズ」です。
メンバーの得意領域や力を把握し、各々の期待も擦り合わせて、チームで円滑なコミュニケーションを送れるようにするワークショップです。
簡単にやり方を説明しますと、付箋とペンを用意して、①〜④の質問をチームメンバーで答え、回答について話し合う、といった内容になります。
ドラッカー風エクササイズについてnoteの記事を書いてるので、詳しく知りたい方はよかったらこちらを読んでください!👇
私達は普段当たり前に相手に期待してしまっている場面が多々あります。
例えば「あの仕事はAさんがやってくれるだろう」「あの仕事はBさんがやってくれるんじゃなかったっけ?」など、無意識に期待してしまうことがあります。また、自分が思ってもいない期待を相手に持たれていることもあります。
そういう期待のすれ違いを起こさないようにするためにも、このワークショップを行って、お互いの得意領域と期待を擦り合わせていきます。
このドラッカー風エクササイズを使い、デザイナーとして自分の得意なこと、できること、苦手なことを共有します。
共有することで何が良いのか…この場を使ってチームメンバーに自分がどんなデザイナーか知ってもらうことができます。
また、相手から期待されていることもこのワークで知ります。
知ることによって、意識して期待に沿った行動を取ることができるようになり、勝手な期待などのコミュニケーションの齟齬も少なくなります。
実際に私が書いた自分の得意なこと、できること、苦手なことになります。
この場に立っておいてなんですが、苦手なことに「プレゼン」が入ってます。苦手なことをこの時点で共有しておくと、もう既に苦手なことを知ってもらっている状態になるので、今後チームメンバーに、苦手なことについて質問がしやすくなります。
ちなみにワーク中に、「え?!あれ苦手なんですか?!意外〜!」ということがあったりもしました。話さないとわからないことはたくさんあります。
そしてチームメンバーからもらった期待されていることです。
UXデザインの先導などのデザイン面は期待されてるだろうなと自分でも感じていましたが、ムードメーカーや、デザイン教えて欲しいなどについては言われると思ってなかったので驚きました。
この期待を知ってるか知らないかでは、今後の行動は違ってくると思います。
次に、「権限と責任」のワークについてお話します。
どういう状況のときの決定権は、誰にあるか、どう決めていくかをチームで話し合い、共通認識を作っていきます。
共通認識を作ることで何が良いかと言うと、決定のときのすれ違いが減り、健全な決定を行うことができるようになります。
チームでワークを行った結果、私の持つ決定権はこの3つになりました。
UIデザイン、デザインツール、仕様化されてないUIの決定です。
決定権のレベルというのも決めており、POは助言するが、意思決定はメンバーの私が行うというルールになっています。
決定権のレベルはこれ意外にも、POとメンバーが一緒に決めるや、メンバーに相談するが決定するのはPOなど、色々なレベルがあります。
デザインツールの決定権は私にあるので、SketchからFigmaへの移行もスムーズにできました。
この権限がチーム内で共有されているので、私もメンバーも安心して自信を持って行動することができます。
さて、ここまでチームビルディングのワークについて色々お話してきましたが、なぜmocriではチームビルディングを大事にしているのか。
チームビルディングをすることによって得られることが3つあります。
周りから期待されていることを知っているということ。自分のできること、苦手なことを知ってもらえているということ。自分に与えられた権限がはっきりしているということ。
これによって、デザインのコミュニケーションがうんと取りやすくなっていきます。
また、普段仕事ではデザイナーだけでなく、PO、エンジニア、QA、CSなど、色んな職種の人と関わります。その中でも今は、デザイナーは私1人だけです。
例えばもしかしたら…デザインの仕事に対して自分と認識が違っているかもしれない。
もしかしたら、デザイナーのことはみんな当たり前にわかるわけではないのかもしれない。
例えば、UIを作る作業自体は短い時間でできるかもしれないけど、その前のリサーチや設計を考えるのに時間を費やしていることは、同じUIデザイナーにしかわからないし、自分から伝えていかないと周りはわかりません。
なので、相手の立場を考えて、デザイナーとしての意見を伝えていく必要があります。
例えば私が普段意識して行っているうちの1つとして、UIは手書きのラフの段階で共有したり、他のアプリのリサーチを共有したりなど、自分の考えや行動を早い段階で伝えるようにしています。
なるべく早く頭の中や進捗を手書きでもいいので、見せることによって相手は私の行動が確認できるので安心し、意見も伝えやすくなります。
最後になりますがまとめです。
繰り返しになりますが、デザイナーとしての自分の考え、価値を最初に伝えることが大事になります。
チームメンバーの立場を考え、デザイナーとして自分から歩み寄っていく必要があります。
先程の2つを意識して行うことによって、チームメンバーにデザインの相談もしやすくなるし、デザイナーとしての意思決定もしやすくなります。
デザイナーやチームにとって、良い環境を作り上げていきましょう!
ご清聴ありがとうございました!
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最初スライド内容を考えていたとき、60枚ぐらい越える大作になってしまい、10分で終わらねえ!となり、半分ぐらい削りました。笑
スライド内容をまとめながら改めて、働きやすい環境であるというのと、チームメンバーの優しさ、アドバイスにいつも助けられてるなあ…と思いました。いつも感謝しています。
今回は登壇にお誘いいただきありがとうございました!またどこか機会がありましたらお話させてください🙌
---追記---
イベント後の懇親会で有り難いことにいくつか質問をいただいたので、こちらにも追記していきたいと思います😊
Q:組織の人数が多い場合、どうチームビルディングを取り入れていけば良いのかわからない
確かに人数が多い場合、全員でチームビルディングするのも難しいし、時間も奪われるので取り入れるのも難しいですよね😂
新規事業は少人数なのでチームビルディングを取り入れやすいというメリットがあります。では人数の多いチームではどうすれば良いのか…。
いきなり「チームビルディングやりましょう!」と言っても、周りからすると「やる意味あるの?」「半日時間取られるんでしょ?」と反対されてしまうかと思います。
チームビルディングをすることによってどういう効果を得られるのか、メリットあがるのかを伝えていかないと、周りも取り入れたいという気持ちにならないと思います。なのでまずはチームビルディングをすると、こういう効果が得られるよ、と伝える必要があります。
大人数と言っても更にその中でデザインチーム、エンジニアチーム、またはiOSチームAndroidチームなどなど、細かいチームで分かれてると思います。これは一案ですが、まずは自分の身近の少人数のチームで、ドラッカー風エクササイズなどの短い時間でできる、簡単なワークショップを行ってみるのはどうでしょうか。
そこで行った結果を、周りにシェアしていき、どんどん他のチームも巻き込んでいくやり方だと、自然にチームビルディングを取り入れることができるかもしれません。
数回行ったあとは、各職種でシャッフルしてグループを組んで行ってみるのも良いかもしれませんね!
Q:期待や権限を擦り合わせて共通認識を作っても、今後忘れてしまわないだろうか
人間は忘れるものです😇永遠に覚えることができたら勉強など苦労しないですよね…。
なので、チームビルディングは定期的に行うことがオススメです。mocriのチームでは、チームメンバーが増えるタイミングで行っています。
ドラッカー風エクササイズも、人と期待や得意なこと、できることって、その時の環境や経験で変わっていきます。なので定期的に擦り合わせをしていく必要があると思っています。
もちろん権限周りも、プロダクトが進んだりメンバーが増えることによって変わっていきます。こちらも同様に定期的に擦り合わせを行う必要があります。
また、権限と責任のワークで話し合った権限はスプレッドシートなどにまとめておき、いつでも見返せる状態を作ると良いと思います。
仕事での話し合いの際に、権限や責任のズレを感じた時に、まとめたスプレッドシートなど再度貼り直して、「前回のチームビルディングでこういう時はこう決めると話し合いませんでしたっけ?」と提案することもできます。
自分も忘れてしまうし、相手も忘れてしまうことは当たり前で誰も悪くないので😂お互い助け合いながら、話し合える環境を作っていけると良いですね。
長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました!😊