痔 〜その3〜
「◯◯のしおり」というパワーワード。
遠足のしおり
修学旅行のしおり
社員旅行のしおり…
まさに今から始まる楽しいイベントへの招待状。
表紙を開けばそこには期待に胸膨らむ日程やタイムスケジュール。
さらには当日の持ち物に、バスの座席表や部屋割りのページ。
行く前から行った気になれる不思議な1冊。
それが「◯◯のしおり」である。
この度私もそのしおりをもらう機会に恵まれた。
そう。
それは「入院のしおり」
入院のしおり。
という絶望ワード。
1泊2日軟禁ツアーへの召喚状。
とか言っちゃいけないわよね。だって自分の体のことダモノ。
なんてイイ子ぶってる場合では無い。
私が病院からもらった入院のしおりは、なにか冊子になっているわけでもなく、ただのA4用紙1枚のプリントである。
「フンっ。しおり?贅沢な名だね。今日からお前の名前はただの紙だ。分かったら返事をしな!ただの紙!」
と湯婆婆の如くけなしあげたいくらいペラッペラのしおりである。
こちらがその「ただの紙」の画像です。ご査収くださいませ。
そうは言ってもしおりに罪は無い。
しおりはしおりなりに精一杯私に大事な情報を伝えようとしてくれている。しかも端的に。
八つ当たりしたいくらいの尻の痛みと、入院手術を前にナーバスになっている私のココロから醸し出されるやさぐれた態度をお許しいただきたい。
ちなみに八つ当たりは色んなところでちょいちょいしていて、自分的にこれはナイス八つ当たりと思うのが、職場の人や友人を捕まえて「アナタも痔になればよいのに」という呪いをかけることである。
もし今泣けるくらい痔が痛い方がいたら、ハリーポッターの杖を振る要領でボールペンを振りながら「アナータモ ヂニ ナレバヨイノニ〜」と言ってみてほしい。
ほんの少しだけ気が紛れること間違いない。
しかしこの呪いをかけたばかりに、ただのイボ痔で済んでいたものが、肛門の横に膿の穴が出来てしまう痔ろうなどという事態になり、さらに苦痛が増して文字通り 「人を呪わば穴二つ」 なんて言うことわざを体現してしまっては大変なので、やっぱり呪文はおすすめしないでおく。
入院2日前から下剤を飲む指示が出ていて、考えただけでお腹がゆるくなりそう。