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動機はくだらなくていい


自分がサーフィンを始めた動機は実にくだらない。

ある時私の職場に最高レベルのイケメンがはいってきた。 舞い上がった私は、なんとか彼とお近づきになりたっかのだが、お近づきになる接点が見つからなかった。

でも、ある時、彼の趣味はサーフィンという情報を手に入れたのだ!

そうだ、わたしもサーフィンをはじめで、海に連れて行って、とねだろう。そして、湘南あたりでアフターデートを成立させ、カラカラのフェロモンを絞り出し、ゴリ押しでなんとかしよう!!


時は秋。  友人の彼氏がサーファーだったので、壮大?な計画を説明し頼み込んで弟子入りし、ボーナスをはたいて道具を揃え、高速代の割り勘要員として冬の間も海へ行った。水は冷たかったが、夏のロマンスを思えばなんてことない。

しかし、、
サーフィンてヤツは、なかなか手強く、ひたすら波にまかれている間に夏がきてしまったのだった。


結局、準備不足ながらアタックしたが、イケメンにはあえなく振られ、板とウェットスーツだけが残ったのだった。化粧や身なりに投資したほうが、よかったのだろうか。



でも、報われないサーフィンは、私のM心に火をつけ、たくさんの楽しい思い出と、素敵な仲間とついでに配偶者も手に入れた。

この話をすると、序盤で、イケメンくんが旦那さん?と絶対言われる。残念ながらそこまでのシンデレラストーリーではない。


動機なんかどうでもいい。なにがおこるかわからないんだから、とりあえずふみだしてみて。
こうありたい、こうあるべきっていう目標や信念ありきもかっこいいけど、自分の内側から湧き出る、内なる欲求に勝るものはないから!



事情により、二年程海から遠ざかっていたが、最近、苦楽を分けた海友から連絡がきて、デートすることになった。長い時間をすごすうちに芽生えた、貴重な大人になってからの友達。
くだらない動機は、いつまでも素敵な時間を提供してくれる。

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