続続NOといえる日本人になろう さもなくば、、
残された私たちと、ガイドの弟とクルー。彼らは、もう慣れているらしく、ロングボードでトライしていた。
なんだ〜、意外といけるんじゃん、と、元来前向きな夫は波にトライした。
と こ ろ が
当然テイクオフに失敗し、消えたのだ。
記憶にある光景は、ナイアガラの滝だ。滝の上が波待ちポイント、滝壺が、切り立った波の下である。
滝壺に(下の方)夫の一部が見えるがなかなか浮上しない。
絶対トライしてはいけない!午前と同じ作戦、しかも、波の立たないところをキープするのだ。午前と同じことになったら、確実に死ぬ。
ハッキリNOといえないことは命に関わる。これからは言える人になるから、どうか助けて下さいと、私は心の中で祈っていた。
しかし、、波のたつところに向って流れが発生しはじめた。ほんの少し先にいる夫は流れていない。生死を分ける距離だ。必死に抜けようとするが、漕いでも漕いでも流されるあの恐怖は、書いている今でも心拍数があがる。
しかも、世界共通、海での、助けての手信号を、ガイド弟におくったら、楽しんでいると思われて、親指を立てられたのだ。
早くおいでよ〜、と、夫が笑っている。
無理なのー!だいたいアナタが大丈夫とか言うから、アタシこんな目にあってんの!!!死ぬ!死ぬ!
ギャーギャー喚き散らしていたら、ようやく、ガイドのボスが、船で戻ってきてくれた。
ようやく回収されて、なんとか生きて帰れたことを実感した。
意思表示は大事だ。命に関わる。
心底こたえた経験だった。
そう、午前中のポイントの名前は、デスパレーション。
「絶望」 であった。
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