
ブリグリはシューゲイザー
WALRUSのことを書いたついでに蘇った記憶があるので残しておきたい。
WALRUSの活動当時は2chに専用スレッドがあった。今はもうメディアとして末期だけど、5chもとい2chにまだまだ勢いがあったころのこと。
知名度の低さゆえそれほど書き込みも多くなくて寂しかったけど、その反面荒らしも無く治安がいいスレッドだった。そこでWALRUSの他に聴いてるバンドは何かという話題になったとき「ブリグリの3rdアルバムがシューゲイザーっぽくて好きです!」というようなことを書き込んだのを思い出したのだ。
ちょっと探して見たらその書き込みが残っていた。369が私の書き込み。

見ての通りのリアクション。このあと言及されることも無かった。
どちらかというとマニアックな部類にあるバンドのスレッドで、かたや大人気で歌番組の常連だったバンドの名前を出したのだから当然だ。
それはそれとしてブリグリ。いちばんシューゲイザーしてるのはLosAngelesという3rdアルバム。
もともとUKロック色の強いバンドで、出世作だった「There will be love there」なんて明らかにオアシスの「Don't look back in anger」の影響を受けている。
最後の方のサビで「SO~♪」という歌詞を重ねているあたり隠すつもりはなく意図的だったのだろう。いまどきパクリだなんだという時代でもないし、あの時代を反映してて面白いと思う。
その曲が入ってた1stアルバムはプロデューサーがユニコーンやスピッツでお馴染みの笹路正徳。バンドが売れたから急ごしらえで曲を集めましたよという感じだった。荒々しいけど悪くない。
2ndはおそらくセルフプロデュースになったのだろう。曲のジャンルは雑多だけど、サイケでポップで統一感のあるアルバムだった。ジャケットのイメージ通りカラフルな音。
そしてシューゲイザー成分がマシマシになった3rdアルバム。
シングルカットされた「angel song -イヴの鐘-」も今聴くとよくオリコン3位まで行ったなと思うぐらいのシューゲイザー。サビの轟音に隠れず際立つ川瀬さんの声もいい。
表題曲の「LOS ANGELES」はあえて川瀬さんのボーカルを使わず、男子二人でやりたいことをやったんだろうなというインスト曲でめちゃくちゃかっこいい。
海外ではシューゲイザーがブームになっているせいか、やはりRYMでもこのアルバムの評価が一番高いもよう。
https://rateyourmusic.com/release/album/the-brilliant-green/los-angeles/
よく見ればここでジャンルとして「Shoegaze」とタグ付けされてる。自分の耳は間違っていなかった。
このあと3枚のアルバムを出しており、曲単位でいいものはあったけどアルバムとしてはいまいちピントが合っていないようなものばかりで、やはり3rdが最高傑作だったなと今でも思う。トミフェブ/トミヘブとの住み分けや、シューゲイザー成分を担っていたと思われるギターの人が5th以降抜けてしまったことが大きかったのかもしれない。
そして今、バンドとしてもメンバー個人としても何してるのか良く分からない状態なのが残念。
2024年12月追記:
どうやら海外でトミフェブ/トミヘブ再評価の流れができているらしい。これをきっかけにブリグリ再評価もあれば。ジャパニーズシューゲイザーというジャンルがあるのならば、羊文学と並ぶぐらいポップなアイコンだと思うのだけど。