私がおかしいのかな? と思わせる技術。
夫と話し合うと、毎回混乱させられる。
「この間こう言ってたでしょ」
というと、「オレはそんなことは言ってない」と言われる。
本当に忘れているのか覚えがないのかわからない。でも、夫に言わせれば私が夫の発言を曲解しているのだという。私は自分の発言を、その時の気持ちとともに詳細に思い返すことができるけど、同時に人間の記憶が曖昧なものであり、あとあと書き換え可能であることも理解している。
だからそこでいつも、「そんなはずない、言ってたじゃん! なんでそうやって自分に都合よく嘘をつくの?」とキレてしまう。つとめて冷静にそのときの状況を説明して聞かせるのだけど、あっちはあっちで「いや、そうじゃない。時系列がおかしい」と言われてしまう。
そうなると、「そんな勘違いをしてしまうなんて、私のほうが頭がおかしいのかな?」と考えて悶々としてしまう。
「オレの言葉で火をつけちゃったんだね」と言われると、つまり感情的になっているために、夫がいった悪気ない言葉を、私が勝手にエキサイトして読み間違えた、勘違いしてキレた、みたいな構図にされてしまう。
それこそが自己愛性人格障害者の手、なのだと、私が相談したKさんはいう。でもそれって、テクニックとして自覚して使っているのだろうか。本当に思い込んで真実を捏造してしまうのだろうか。
それとも私こそが何かしらの障害を持っていて、そばにいてくれている夫に対して勝手にネガティブな感情を燃やしたり、自分の嫌な部分を投影してキレてしまうのか。いつもここで不安に襲われてしまう。私こそが問題を抱えている本人なのではないかと。
私が感情的になればなるほど、満足そうに夫は穏やかに、「良い人」になっていく。定期的に夫がモラモライライラするのは、自分に満足したいがために私を貶めているのではないかと感じてならない。そう感じてしまう自分に罪悪感を感じる。
夫の収入が減ったので、私が補填するしかなく、休み無しに365日働いている。その間夫は、土曜日も日曜日も子どもたちと出かけて楽しい思い出を作ってる。やりたい放題やって、お金払えないといってこちらに支払いを押し付けて、子どもたちとの楽しい思い出や時間も奪われている。
そう感じる私の心が狭いのかもしれない。
私が被害者意識の塊なのかもしれない。
私自身が家族から離れたほうがいいのかもしれない。
夫と話していると、嫌な言い方をされているわけではないのに、子供のためにも私がいなくなったほうがいいのかも? と考えてしまう。