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思い出を美化して生きていく

こんばんは。
紐のくつです。

眠れないので過去の話をします。

10年くらい前に好きだった人のことを思い出す。

思い出したくないけど。

僕が教会に行き始めた頃、あの人に会うのが楽しみだった。

ウサギのような可愛らしい女性で僕より二つ年上だった。

ディズニーが好きでこの世の穢れを知らないような人だった。

インターナショナルスクール出身で英語も日本語も話せる人だった。

TOEICのスコアは990点でたまに礼拝の通訳もしていた。

でも漢字は苦手でたまに僕に漢字の読み方を教わりに来た。

何でも出来そうなのに、苦手なことがあると僕に頼ってくれるのが嬉しかった。

僕は彼女のことが好きだったのでメアドを交換してたまにメールのやり取りをした。

あくまで友達として。

ある年の夏、教会のイベントで夏にキャンプがあった。

キャンプといってもテントで寝泊まりするのではなくコテージを利用した。

そのキャンプ場は彼女の父が手配してくれた場所だった。
どうやら仕事の関係で色々な所とコネクションがあるらしく僕たちは広いキャンプ場をほぼ貸し切りで利用させてもらえた。

キャンプ場ではオリエンテーリングをした。
チーム対抗でチェックポイントにあるクイズを解いたりスポーツをして点数が高いチームが勝つものだ。

あるチェックポイントの指示にこんなのがあった。
「チームのメンバー2人は次のチェックポイントまで手を繋いで行くこと」

誰と誰がやる?

なんてやりとりの後、彼女が僕に言いました。

「紐のくつ、私と手繋いでよ」

僕は嬉しさでどうにかなりそうなのを我慢しながら周りを見て、もう一度彼女の顔を見てから

うん、いいよと笑顔で答えました。

今思えばあれが1番幸せな時間でした。

繋いだ手から彼女の温もりが伝わってきて。

一緒に心臓の鼓動を刻んでるような感覚でした。

でもその恋はそれ以上先に進めませんでした。

彼女は僕より先に就職して

僕はまだ学生で

たった二つの年齢差なんて

今になったら大したことないって分かるのに

あの頃はそれがとても大きな障害に思えて

もし告白したとして

彼女の職場に僕より良い男がいたらどうしようとか

まだ現れてもない問題に怯えて

結局気持ちは伝えず終い

それから彼女は教会で出会った他の男性と付き合って結婚しました。

僕は教会に行くとつらくなります。

幸せそうな彼女がいるから。


それを心から祝福出来ない自分の醜い心が湧き上がるから。

変ですよね。

人を救うために神様がいるのに

神の教えを伝えるために教会があるのに

教会に行くと不幸を感じる人がいるなんて。

僕は一体何だったんだろう?

彼女の運命の相手になれなかった。

彼女が結婚相手に出会うまで悪い虫から守るだけの役目だったのかも。

なんてね。

本当はわかってます。

僕は臆病で

行動しなかっただけ。

でも取り返しのつかない過ちをするくらいなら

何もしないことで得られる正解があっても良い。

僕は彼女にとってただの友達で

彼女も僕にとってただの友達だった。

実はめちゃくちゃ好きでしたなんて

今更誰かに打ち明けたところで

現状は変わらない。

涙で救えるのは自分だけ。

それなら僕はひっそりと泣いて

また笑顔で進み続けます。

ダメだな。

やっぱり恋人が出来ないとこの傷は癒えないのかな。

クリスマスまでは2ヶ月切ったし

次のバレンタインまでに彼女作らないと。

もう寝よう。

最後まで読んでくれてありがとうございます。


おやすみなさい。



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