一方的にならない面談・家庭訪問

　いよいよ新学期が目の前に。新しい生徒を迎えるということは、新しい保護者との関係も生まれます。面談・家庭訪問などもあると思いますが、担任、担当としてどんなことを伝えるべきか悩む方もいると思います。保護者と一対一になることを苦手とする先生や指導員の方等もいるのではないでしょうか？

こちらもぜひ参考に↓

まずは保護者がどんなことを知りたいか考えましょう。

１．今のクラスでの人間関係について
・他の子たちとどんなやり取りをしているか
・チーム作り、昼食の際に一緒に席につく子がいるか
・喧嘩など頻繁にしていないか

２．集団活動の様子について
・担任の話を聞けているか
・集団行動についていけているか
・困った時にその意思を表せるか、逆に困った人がいた時の行動

３．学力・知能について
・言葉の理解は年齢相応か
・集中力について

おおまかにこのような様子を気にしています。
クラスが始まってから少し気にしてメモを取っておくと良いでしょう。

一方で担任・担当が話したいことも考える。

１．集団での様子について
・休み時間の過ごし方
・グループ決めの時の時の様子

２．学力・発達について
・新しい単元に入った時の理解度
・授業への集中と態度
・苦手な授業の取り組み方

３．家庭で不安に思っていることについて
・保護者の体調、忙しさを子どもが感じていないか
・学校や友人の話は家庭でしているか
・生活リズムは整っているか

が おおまか な内容と思います。

　話したいことと、聞きたいことはさほど変わりにないのですが、その具体性や質が違うのが共通理解のハードルとなっていることが多いです。では、

わかりやすいように伝えていくためにどうするか

提案したいと思います。

＜基本的生活習慣の姿を伝える＞

・集団の様子、発達について伝えるのに家庭で見られる様子から理解を深める為には基本的生活習慣のお話から入ると共感を得られることが多いです。

　※食事、睡眠、排泄、清潔、衣服の着脱の5項目を基本的生活習慣と指します。

　担任を持っているクラスの年齢相応の5項目の発達レベルを理解しておきましょう。クラスの平均で話すのではなく、発達年齢を理解して話すことで、就学した際に別の園の子との差があったときにギャップが感じないと思います。中・高生も同様です。
クラス平均で話をするのはナンセンスです。地域性などで考えずに広い視野でお話ししましょう。

＜クラスでの役割、キャラクター性を話す＞

・誰と仲が良いか等はたいていお家でお話しているケースが多いので具体的に集団活動のときに、どんな役割を担うことが多いのかお話すると良いでしょう。

　例えば、リーダー的な役割を担うことが多い等 家庭では見られない様子をお伝えすることで理解が深まります。マイナスなことも言葉を選びながら、見方を変えて強みをお伝えする方が保護者とのギャップを埋められます。

＜長い目で見た時に気になること＞

・学力や基本的生活習慣で集団にいると遅れが感じられる場合でも保護者は「今」しか見れない場合が多いので、

困り感を感じていないことも多くあります。

　本人が困り感を感じている場面や今後現れるであろう姿を伝えすることで「これから」を意識するようになります。「学力だけが心配」というようなニュアンスで伝えてしまうと、塾や家庭教師をつけて解決しようとする傾向が高く子どもがただただストレスを感じる環境に向かってしまいます。

「普段の指示でも、国語の文章問題でも理解するのに
時間がかかることがあり、今は言葉をかみ砕いて
伝えるようにしています。しかし、今後はテストの文章も難しくなっていくので一人で理解しなければならない場面も増えてくるので他の教科にも影響が出てくると思います。」

等と伝えると場面も想像しやすく国語だけを強化すればいいという問題ではないことに気付きます。

保護者の話を聞く時間もあるとなかなか時間が十分に取れないことも多いと思うのでこの3点を重点に置いておくとまとまりやすいと思います。

　小学・中学・高校で基本的生活習慣？！と眉間を寄せる方もいるかもしれませんが「授業中に寝ていることが多いのですが家で寝れていない様子や深夜まで勉強に励む姿がありますか？」などと聞くと
授業中の態度としてではなく、生活面としての理解を示そうとしているように感じます。（※本来の意図は違ったとしても…）
　また、学齢期になると家庭の様子が保育園などに比べると見えなくなり、不安になる保護者も多くいます。基本的生活習慣の話をする中で保護者の意識や父親の姿なども見えるようになります。

是非、参考にしてみてください！