米津玄師「Lemon」を聴いて。
「死者の目線」
Lemonを聴いていて不意に感じた視点だった。
表面的に聴けば、別れた恋人を想う曲なのかなと連想するが、この曲にはもっと深く、違う次元からのメッセージが読み取れる。
「わたし」が死者となった今、地上の「あなた」をこんなにも愛していたんだと、生きていた時には気づかなかったほど深く想っていたんだと知りました。
そう歌っていると私は感じたのだ。
生者の時には分からなかった事が、死者の視点に移ったことで視界が開け、だからこそもう戻ることはない向こう側への惜別の想いや、ほんの少し後悔を抱えて旅立とうとする、その「こころ」がレモンのようだと。
そしてまた「わたし」は「あなた」であり「あなた」は 「わたし」だったのだと気づいた時、それが「愛」だったのですと告白しているように思えた。
光は天国にあるのではなく、地上のあなたこそわたしの「光」だった。
そんなふうに聴いてみる「Lemon」があってもいいのではないだろうか。