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初めてオーディオ専門店に行って、オーディオマニアの気持ちがわかった話【日記】

はじめに


こんにちは。himikoといいます。DTMが趣味の大学生です。

ブラックフライデーセールの時期ですね。皆様何か買われましたでしょうか。

私はというと、セール情報が絶えずTwitterに流れてくるせいで、特に興味のないプラグインやサンプルパックをつい買おうとしてしまいます。

当然ながら、全部を買うお金はありませんので取捨選択するわけです。

私のやり方は2つ。1つ目が”1週間我慢する”、2つ目が”欲しいものをリスト化して優先順位をつける”です。こうすることで衝動買いを防いでいます。


さて、話は変わりますが、私が今一番欲しいもの、それはヘッドホンなんですよね。私は別に耳がいいわけでもなく、こだわりも特にない人間でして。

使ってるスピーカーはTASCAMのVL-S3BT MIKU(初音ミクモデルで可愛い)。

使ってるイヤホンはSONYのMDR EX-650(買った当時は兄がコスパ最強と言っていた), CreativeのAurvana Air(ASMRを聞くのに良いらしい), 完全ワイヤレスのZeeny Lights(鈴原るるちゃんモデルで可愛い)。

ヘッドホンは4年ほど前に購入したaudio-technicaのATH-SX1a(DTMするならモニターヘッドホンがあったほうがいいらしい)というヘッドホンのみ。

括弧書きで書いた通り、買った理由も大したことありません。全て悪いものではなく、興味がない人からすればむしろ良いものかもしれません。ですが、音楽制作をしていると「より良い環境」というものに興味が沸いてくるんですよね。

もしかしたら、もっと細かく音量感や定位がわかって、曲作りが上手くなるんじゃないか、と。

そういうわけで、よりよいスピーカーまたはヘッドホンを求めて色々探していたのですが、

良いヘッドホンは持っておいた方がいい、本当に(ULTRASONE Signature Studio レビュー)

こちらの記事を読ませていただいて、それからは「次買うヘッドホンはULTRASONEの Signature Studioにしよう」と心に決め――


――そうして1年が経ちました(記事の投稿が2020/11/18なのでちょうど1年)。

私のヘッドホンは、ATH-SX1aのまま。

買わなかった理由は、Signature Studioは高すぎて(約45000円)踏ん切りがつかない、というのもあるのですが、流石に試聴もなしに買うのはよくないかな、というのが一番でした。

ヘッドホンなんて小学生のころに持ってた数千円の奴しか知らないので、ATH-SX1aの良し悪しは一切わかりません。

しかし、少なくとも15000円する良いヘッドホンのはずです。流石の私も、比較もせずに「もう君いらないよ」なんて言う非道にはなれませんでした。


そういうわけでSignature Studioの購入は見送っていたのですが、たまたまブラックフライデーで買うものに優先順位つけようとして気づきました。

「一番の優先事項はヘッドホンでは?」

記事を見るとちょうど1年前の昨日。あの記事を読んでから1年間何もしてこなかったことに気づきました。

思い立ったが吉日。すぐさま近場で試聴できそうなお店を探します。

ここは山口県。周りにヘッドホンやイヤホンの品揃えがよさそうな店舗なんてありません。

実家が福岡県なのでそっちで探してもいいな、と思いつつも検索。

見つけたのは車で50分程度の場所にある、小さなオーディオ機器専門店でした。



いざ、オーディオ機器専門店へ


ホームページを見ると取り扱いメーカーに”ULTRASONE”とあったので、友人から来た「月食見ないの?」というLINEを華麗に無視しつつ車を走らせました。

閉店1時間前。店の前に車が並んでいます。

もしかして混んでる…?大人気店?と思いながら駐車。よく見たら警察がいて、まさか事件?と少し緊張していたのですが、どうやら店前で事故が起きていたみたいでした。ここ何の関係もない話。

店に入ると、ヘッドホン、スピーカーが所狭し――とは並んでおらず、テレビやカメラなどが置いてありました。あれ?と思い立ち止まると店員さんに話しかけられます。

店員「何をお探しですか?」

凄く優しそうなおじさんでした。

私「モニターヘッドホンを探しているのですが…ULTRASONEという」

店員「あ、今はULTRASONE置いてないですね…基本的に高いし、入れ替わりも激しいので置かなくなったんですよ。モニターヘッドホンも今は……置いてないですね」

取り扱いメーカーは何だったんだろう?と思いましたが、そんなことを言っても仕方ありません。

目的のモノがないので長居する必要はないのですが、こちとら50分かけて来てますから。そうですか…じゃあ帰ります、とは勿論ならず、せっかくなので試聴させてもらおうと尋ねてみます。

私「そうなんですね。他のヘッドホンとか試聴してもいいですか?」

店員「大丈夫ですよ、こちらにお掛けください」

そうして丸テーブルに案内され、しばらく待つと、別の店員さんがヘッドホンを持ってこられました(先程の店員さんは別のお客さんの対応をしていました)。

店員「こちらですね、SONYのハイエンドモデルなんですよ」

え、自分で選んで聞くとかじゃないんだ。

予想外でしたが、ヘッドホンに関して何も知らないのでどうせ自分では選べません。ありがたく、持ってきたものを聞かせていただくことにしました。SONYのMDRなんとか。偶然にも持ってるイヤホンと同じMDRの名を冠していたのでギリ記憶に残りました。そして値段が――

私「22万!」

店員「あはは。最初にこれ聞くと他の機種がしょぼく聞こえるかもしれませんが」

ならなんでこれ持ってきた?と思いつつ、自分のATH-SX1aと聞き比べ音を確認します。

私(空間凄い…あ、でもこれイヤーパッドの形状的に本当に空間が広いのかな?解像度高くてちゃんと聞こえる。でもなんか低音が大きく聞こえる)

こんな感じか、と思いつつ外すと、店員さんに聞かれます。

店員「どうですか?

………どうですか?とはなんですか?

私「凄いですね…ちゃんと聞こえて良い音ですね」

良い音ってなんだ。

店員「そうなんですね」

………そうなんですね?

もしかして店員さんあんまり詳しくないんじゃ。

少し不安に思いつつ、(ATH-SX1a、良いヘッドホンだな)と思っていると、次のヘッドホンが来ました。定価3万、セールで2万程度のヘッドホン(メーカーも型番も覚えていない。全体が緑色で、パッドが布のような柔らかい素材の小さいヘッドホン)。完全に耳の上に乗る形で、少し新鮮でした。

私(高域の音が妙に小さい。EQで10kHzくらいからハイカット入れてるような音。パッドが柔らかいからとかあるのかも。そして超低域があんまり聞こえないような)

私「ありがとうございます」

店員「どうでした?

私「えっと………そうですね、低域が弱くて、でも優しい音でしたね」

優しい音!!!イズ、なに!?!?

店員「そうなんですね」

そうなんですね、イズ、なに??もしかして私の感想を参考にしようとしてる?

やっぱりATH-SX1aがめっちゃ良い音鳴るな、と再認識していると最後のヘッドホンがやって来ました。定価4万、セールで2万程度のヘッドホン(同じく何も覚えてない。変な形だった)。

私(え、高域ナニコレ…EQで無理やりブーストしたみたいな音するな。中域あんまり聞こえないし。あ、でも低域は結構ちゃんと聞こえる。でも超低域は聞こえてなさそう。かの有名な”ドンシャリ"と呼ばれる奴?)

私「ありがとうございます」

店員「どうでした?

私「凄いシャリシャリしてて、高域の音量はでかい……」

そこまで言って、高域の音量がでかい!というのと、低域の音量が小さい!というのが殆ど同じ意味で、2つ目のヘッドホンとの差異が伝わりにくいなと思いました。なんとか表現を考えます。

私「でかい、けど、パンチがないですね…それに低域はなんというか、細い、みたいな」

店員「おー」

おー。



行ってみてわかったこと


よくオーディオマニアの意味不明なグッズや理屈が話題になりますが、ああいった科学的な部分はともかく、イヤホンやヘッドホンなどに関して「パンチがある」とか「伸びのある」「得意」「不得意」「透明感」「重厚感」「太い」「細い」などの表現が散見されます。

当然、全くの初心者の私がその表現を見たところで理解し難かったのですが、今回、店員さんからの、

「どうでした?」

の一言により言語化を迫られた際に、確かに無理やりブーストしてスカスカな高域を「パンチがない」と表現したり、サブベースがしっかり聞こえないような音を「細い」と言いたくなると思いました。

ただ、当然ではありますが、やはり、かなり主観的な意見です。

”良い音”というのが主観的であるように、表現はほとんどの場合で主観的です。私が今言った、表現の言い換えに関しても「いやそういう意味じゃないけど」と思う方がいらっしゃるでしょう。

それでも、わずかな差異を何とか表現しようと言語化しているオーディオマニアの方々には尊敬しかありません。この先、スピーカーやヘッドホンを新調していくにあたって、皆様方のレビューを参考にさせていただきます。本当にありがとうございます。



最後に


初めての試聴、とても楽しい体験でした。聞き比べるというのは大事ですね。当たり前すぎる。

これから、私は「太い」とか「リッチで重厚感のある」という表現を聞いて、大体の雰囲気が掴めるとは思います。

しかし、そういった主観的表現は好ましくないな、と思ったので、私はオーディオマニアになれないみたいです。


つまり。


今日の出来事。

オーディオマニアの言語を理解し始めた。


おわり。



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