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2024年12月26日〜1月1日 年末年始に禁酒する

2024年12月26日

 我が家の御重は三段で、物心ついた時からそのうちの一段には紅鮭の甘酢漬けがぎっしりと詰められていた。いつかは祖父がつくっていて、いまは母がつくっている。下戸だった祖父のそれはしっかりと甘みがあり、酒飲みの母がつくるのはキリッと酢の効いた味だ。
 今年も築地で大きな紅鮭を一本買う。私が生まれ育ったのは祖父母が下北沢で営んでいた酒屋で、私が生まれる前、そこでは祖父が築地で買い付けてきた魚を捌いて売っていたらしい。いまでも毎年、祖父が生前通っていた魚屋でおせちの紅鮭を買っている。

 紅鮭の甘酢漬けも楽しみだったけど、子どもの頃の私が好きだったのは、それを作るときに余る鮭の皮や身の付いた骨の部分。
 焼いて食べると塩辛くてなんともおいしい、思い出の味だ。
 今年、久しぶりに余った皮と身の付いた骨の部分をもらって、焼いて食べたら、子どもの頃のお正月を強烈に思い出した。今日仕込んだ鮭の甘酢漬けは元旦のお楽しみ。

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