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好きな歌詞発表会


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 好きな歌詞発表会ということで、僕が聴いた曲で、「この歌詞、好きだな〜いいな〜」と思った歌詞を書いていきたいと思います。元来暗めの性格なので、少し暗い歌詞が多いかも……。気にせず読んでほしいと思います。




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月に慣れた僕がなぜ 月に見とれたのはなぜ
(中略)
月に慣れた君がなぜ 月を見ていたのはなぜ

サカナクション「バッハの旋律を夜に聴いたせいです」


 サカナクションの名曲、「バッハの旋律を夜に聴いたせいです」から、この部分。ジャケットがバッハに倣って「Es ist weil ich die Musik von Bach Nachts höre.」ってドイツ語で書いてあるのも好き。

 サカナクションの曲の歌詞では、「月」って言葉がよく出てくるんだけど、この曲での「月」は僕が思うに「憧れの対象(≒好きな人)」みたいな意味だと思っていて、そう読んでみるとめちゃくちゃラブソングなんです。

 まず、「月に慣れた僕がなぜ 月に見とれたのはなぜ」の部分。多分僕はモテ男で、羨望の眼差しを向けられることも多ければ、実際に告白されたことも多いのだと考察します。そんな僕が、「月に見とれたのはなぜ」? それがこの後の歌詞で出てきます。

 今度は、僕が見ている「月(=憧れ、好きな人)」目線の話。この月(Aさんとする)もまた、月になることは慣れていて、主人公の僕と同じような立場。そんなAさんが「月を見ていたのはなぜ」なのか。多分この人も僕と同じで、憧れや好きな人がいてその人をずーっと見ていたんでしょう。そんな様子を見て、僕は「なぜ」かと問うわけですよね。つまり僕にとっての月はAさんで、Aさんもまた「月」見ているので、そこに疑問が生じる。Aさんにとっての「月」が僕だったらいいのに、と考える。で、その疑問はなぜ生じるのかというと、ここでタイトル「バッハの旋律を夜に聴いたせいです」。バッハの旋律を夜に聴いたせいで感傷的な気分になって、手が届かないはずのAさんに思いを馳せているという、そんな曲なのではないかなと思いました。

 夏目漱石に引っ張られすぎて、「月=好きな人」と考えるのは少し早計な気がしますが、これが1番僕の中でしっくりきたので、ここにそのまま残しておこうと思います。いやーおしゃれ。


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死んでみるのはまた今度

キタニタツヤ「クラブ・アンリアリティ」


 僕みたいなうつ病の人は、常日頃から「死ぬこと」をとても考えているわけで。そのような希死念慮の形を、このような歌詞にするのが上手な方だなと、おこがましいながら思いました。うつになって間も無いころ、この曲のこの歌詞には随分と救われ(簡単に救われる癖を治したい)、去年SpotifyのMy Top Songsという、1年間でどの曲をたくさん聴いたかみたいなプレイリストをSpotifyが作ってくれるんですけど、その中でトップ10に入っていたぐらい、この曲にはたくさんお世話になりました。「死んでみるのはまた今度」。お守りにしたい言葉。


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もう少しだけ大丈夫になったら良いとは
毎日毎日思ってるんだ本当は
今でも涙が出そうになるけど

カネコアヤノ「やさしい生活」

 カネコアヤノの「やさしい生活」。この曲は、今年の6月ぐらいにYouTubeでたまたま出会って、それまでもカネコアヤノ好きだったんだけどなぜかこの曲は知らなくて聴いてみたら、温泉に浸かったときみたいに体がじわーってあったかくなって、これはすごい曲だ、と思いました。この曲はとにかく「やさしい」歌詞が多い。電車で席を譲るとか、誰かのミスを庇って代わりに怒られるとか、そういうのも「やさしい」だけど、この曲に書いてあることが「やさしい」の根底で真髄で核心だな、と感じました。あとこの曲がサブスク配信されてないのも、なんとなく魅力なのかもしれない。ちなみにライブ音源なら、少なくともSpotifyでは聴くことができる。


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なぜ疑うことだけ上手になるの
誰かを信じたい それだけなのに

きのこ帝国「ラプス」

 きのこ帝国です。大学の軽音サークルで好きというとバカにされるバンド(偏見)。僕は軽音サークルに入ってないので本当に良くない偏見なのですが、軽音サークルに入った友達に聞いたら本当にこういうことあるらしくて、軽音サークルの頭でっかちさに少しというか、だいぶ引きました。そんなことはどうでもよくて。この歌詞も、人間生きてたらめちゃくちゃ感じる場面だなというか、特に内向的で考えすぎてしまう人にはありがちなことなのでは、と勝手に思っています。

 僕は自明にこのタイプの人間なので、まず友達のハードルが高かったり、誰かに心を開くまでにすごく時間がかかったりするのですが、それって「誰かを信じたい」からなのかなと思いました。何か悩みを話して共感してほしい、相談にのってほしい、または「バカだなー」と言って笑い飛ばしてほしい。そういう人であると信じたいから、時間をかけてその人を観察して、「よし、言える」ってなったら話せるんだけど、それってそのような状態になるまでその人のことを「自分の悩みごとをすぐ周りに言いふらしそう」とか、「面倒くさそうに話を聞きそう」とか「疑っている」ことにも繋がると思ってて。だから、この歌詞は僕みたいな内向的で考えすぎてしまう人には刺さるというか、どこか考えさせてもくれるような歌詞だなと思いました。


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 いかがでしたかね。読んでて楽しいものになってたらいいんですけど、なかなか自信がないです。僕は楽器がひとつもできないので、「この曲、ノリやすい!」とか、「歌詞めちゃくちゃ良い!」みたいな音楽の楽しみ方しかできないので(これでも十分楽しい)、同じような方がいたら、というか音楽聴いてて楽器もできる人の方が母数としては少ないのかもしれないけど、ぜひ好きな曲、好きな歌詞を聞きたいなと思いました。あなたのお守りにしている歌詞があったら、僕にもお守りにさせてください。一緒に頑張って生きていこうなーってな感じで、終わりにします。

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