「会社、辞めます」

ついに決意し、上司に口頭でお伝えした。




「会社、辞めます」


そのまま受理はされなかったが「話は了解した」と仮承諾状態。
ま、大きな一歩ではあった。

こうなった原因は自分でもよく分からない。
専門性の高い理系の大学卒業後、就職氷河期の当時に入れた、業界最大手の企業で技術畑を約25年。仕事は厳しかったが、自己成長は出来たし年収面は常に世間の平均を大きく上回る額をもらっていた。もちろん今も。

そして現代ではよく聞く様になった精神疾患を患ったりした事が原因でもない。残業や休日出勤も少ない。有給も取れる。どちらかといえばホワイト企業だ。

辞める理由はない。。。はずなのだ。

毎日の仕事が楽しいか?と問われると、否。また当社の商品を自信を持って身近な人に勧められるか?と問われると、かなりの条件付きでの可、となる。平たく言うと

「ぶっちゃけオススメではない商品を作るため、毎日イヤイヤ働いてる。カネがいいから」

となる。

こういうのって精神的にはやはり少しづつ削られる。

「子どもに誇れる仕事をしたい」的な言い方はたまに聞くけど、今の自分ってそう出来てる?出来てるような気もするけど、ちょっと違う気もする。

なんだかいっぱい考えていると分からなくなってきて、

「会社と社会から一度離れてゆっくりこれからの人生を考えてみたい」


と思うに至った。というのが一番近いかもしれない。

私には妻と娘がいる。家族とも話し合った結果。完全リタイアではなく休職ならオッケー。と合意点を見出した。話し合いをした、とはいえ妻は人と違う生き方に邁進できるタイプではない。むしろまわりと一緒が好きで落ち着く人なのだ。「60歳なり65歳なりまでサラリーマンを勤め上げて、余生は年金もらって静かに暮らす。」を望む人だ。話し合いは相当に難航した。結局、合意ができたのかどうか分からないが、人生の最終地点で「幸せだった」と2人が思えるように、誰かが舵を切らなければならない。


最終判断の舵は私に託された。

因みに娘はまだ5歳なので彼女の意見は「お父さんが仕事辞めてくれたらいっつも遊べる。だから仕事辞めてきて♡」ととっても直感的で短絡的(笑)。でもね、ひょっとしたら我々大人って毎日難しいこと考えてる様な気がしてるけど、

案外この程度の子どもの素直な感覚で、自然にゆったり生きてた方が幸せなのかもしれないよね?

と言うようなことを考えなくもない。

賽は投げられた。

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