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コロナ禍で拡がる朝市場。2006年のキーワードは【席朝族・ソト朝族】

 緊急事態宣言により夜の完全営業が難しい飲食店が、開店時間を早め、朝メニューを提供するなど、“朝市場”にチャレンジしています。
 “朝市場”が注目され始めたのは、2006年。景況感D.I.が6.1と高かった時代です。景況感D.I.とは、「1年前と比べて最近の景気はどう変わったと思いますか」という質問に対し、「良くなっていると思う」から「悪くなっていると思う」を引いた数字です。因みに昨年12月の景況感D.I.は、マイナス70.2でした。
 06年、私は、【席朝族・ソト朝族】をトレンドキーワードに挙げました。朝食を会社のデスクで摂る“席朝族”、外食で済ます“ソト朝族”が増え、朝食の場が家庭の食卓に限らなくなったのです。忙しくて朝食を自宅で食べられないビジネスパーソンのために、朝食代用食品や朝食提供サービスなどが次々に開発されました。
 コンビニでは、朝食を会社の席で食べる“席朝族”のために、朝食にちょうどよいボリュームで手軽な価格の弁当やおにぎり、ボーッとした頭に栄養を運ぶ、栄養食品やチョコレートなどが積極的に販売され、一方、朝食を外食で済ませる“ソト朝族”のために、ファミリーレストランやファストフード店は朝食セットを強化、早朝営業を始めました。
 現在の“朝市場”は、飲食店の苦肉の策が生み出したものかもしれませんが、朝から焼肉やラーメンを求める人たちからは、「朝からガッツリ食べると元気になれるし、リフレッシュできる」との声が寄せられているとか。景況感が高い中、忙しく働く生活者のニーズから生まれた06年の“朝市場”とは異なりますが、生活者の“朝の元気”と“前向きな気持ち”を支えているという意味では、同じかもしれません。

【食のトレンド情報 vol.805 2021年3月1日配信分】




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