麺を揚げない“博多皿うどん”
先週に引き続き、福岡に講演に行ったときの話を。
遠方に講演に行くときは、いつも2時間ほど早く現地に入り、その土地ならではのおいしいものを目指します。今回は、博多駅近くの「元祖ぴかいち」で皿うどんをいただきました。
日本列島の真ん中から右でしか生活したことのない私の場合、皿うどんと言えば長崎。パリパリ麺の上に、野菜や肉、魚介、かまぼこやさつま揚げなどの練りものを炒めて片栗粉でとじたあんがかかっている様を思い浮かべますが、この店のそれは違いました。同店の“博多皿うどん”は、麺を揚げていません。ちょっと太めの麺にあんがかかっていて、チャンポンの汁なしという感じです。あんの具材は種類が多く、量もたっぷり。鶏ガラとアサリでとっただしはうま味が強く、それが太めの麺に浸み込んで食べ応え十分。しかも油っぽさがないからとても食べやすく、あっという間に完食です。テーブルの上には、食べ放題の自家製の辛子高菜や、好みに合わせて味変ができる自家製の酢醤油や酢、ウスターソースも。一度では堪能できません。
大学生の頃、九州を車で旅したことがあります。幹線道路沿いの店で、初めてちゃんぽんを食べました。おいしさに感動したことを覚えています。その後すぐ、埼玉県で「リンガーハット」を見たときの、えも言われぬ気持ち。そう、初めてのちゃんぽんは「リンガーハット」だったのです。ネットがない時代の“あるある”です。リンガーハットのちゃんぽんは、確かにおいしいからいいのですが、埼玉県でも食べられるということがショックだったのです。
【食のトレンド情報 vol.844 2021年12月6日配信分】
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?