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看護師と公衆電話にパシリにされた思い出

 六つ上の姉に暗号を渡される。同じ数字列が繰り返し並び、小学生の僕には意味がわからない。
「いいからその通りに公衆電話でボタンを押してきて!」 六つ上の姉には逆らえない。半べそを書きながら近くのコンビニまで僕は走る


9/11は公衆電話の日
1900年(明治33年)のこの日、日本初の自動公衆電話が、東京の新橋駅と上野駅の駅構内に設置

 これは私の姉との思い出。数年後に気づいたのだけど、あの時の暗号は「ポケベルの文章」だった。わが家は当時黒電話だったから、自宅ではポケベル発信ができない。そして面倒くさがりの姉(笑)によくパシリにさせられた。


 大人になってから、この姉には金銭面のこととかでよく迷惑をかけられたし、ぶつかりもした。次第に疎遠になり、彼女は大阪に嫁ぎ顔を見ることもほとんどなくなった。あ、その後離婚したけどまだ大阪にいる。大阪に骨を埋める気なのかな。

 父親が寝タバコで最後まで人様に迷惑をかけて死んだ時に久しぶりに喋った。なんだかんだ懐しかったけど、いさかいがあった過去がうまく喋らせてくれなかった。

 その後今年になって、お誕生日メールを送ったら姉から自撮りの顔写真が送られてきた

 数年ぶりに見た顔は老けていた。今年で44になるから当たり前だけど。でもそれ以上に苦労の影が見えた。母づてに姉の近況は時々聞いていたけど、予想以上に病気などで大変なようだ。看護師の厳しい視点で言えば、長生き出来ないような病気達。それが写真に滲んでいた

 何事もなかったように私も娘との自撮りを送った。姉は気付いているだろうか。少し娘は姉に顔が似ていることを

 なんだかんだで公衆電話にパシリにさせられていた日々は楽しかった。
 そんなことを今は少なくなった公衆電話を見ると思い出す
 あ、あの時の打たされたメッセージは「愛してる」とかだったような気が(笑) 

 
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