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空色(女性目線)
空色 作】葉月奏詩
人称、語尾変更可
今日、あなたの好きな空色のカーディガンを買いました。
夏の澄み切った空のような鮮やかな空色を。
あなたは会うたびに、君は春の空のように笑うねって言うから。
私は、空を見上げる事が癖になりました。
私が春の空なら、あなたはそんな空に優しく寄り添う雲のようだね。
いつも掴みどころがない様なフワフワな笑顔。
私が泣きたい時は、誰にも見られないようにとそっと包み込んでくれる。
当たり前の様に、いつまでも一緒にいると思っていたけど。
気が付いたら忙しくて連絡も取らなくなった。
時々届くあなたからの心配メール。
数か月前にかかってきたあなたからの電話。
≪突然電話してごめんね。僕、転勤が決まった。一緒に来てくれないかな?≫
仕事に追われていた私は、照れ屋なあなたが勇気を出して言ってくれた、プロポーズに気づけなかった。
あなたから電話がくるなんて珍しいのにね。
≪ごめん。今、忙しいから…。ついて行けない≫
離れてから気づく、あなたの温かさ。
自然に増える空模様の小物や洋服。
あなたは向こうでも頑張っていますか?
私のこと忘れていませんか?
私はあなたがいない時間が寂しいです。
早く帰ってきてよ。
私の心は雨模様だよ。
もう。忙しさを理由にあなたを一人にしないよ。
私は今日もあなたを思い、空を見上げます。
おわり